20年以上、毎月のように繰り返す頻繫な風邪から抜け出せない体調不良

20年以上、毎月のように繰り返す頻繫な風邪から抜け出せない体調不良

社会人になってから毎月崩していた体調が安定し、風邪を引かなくなりました!

40代女性
来院に至った経緯
社会人になってからというもの、月に一度は必ずといっていいほど風邪を引き、喉の痛み、鼻水、微熱が数日続く生活が当たり前になっていた。忙しい時期には咳が長引き、治ったと思う頃にはまた次の風邪をもらってしまうという悪循環が続き、気づけば20年以上も「常にどこかが不調」の状態で過ごしていた。

職場では「また風邪?」「免疫弱いよね」と言われることも多く、本人もそのたびに申し訳なさと情けなさを感じていた。体調が安定しないため、大切な予定を急にキャンセルしたり、家族との外出を控えたりすることも増え、「どうして自分だけこんなに風邪を引きやすいのか」と落ち込む日が多くなっていた。

病院では、その都度、風邪薬や咳止め、喉の炎症を抑える薬を処方されるが、良くなるのは一時的で、数週間後にはまた同じ症状が繰り返される。「ちゃんと寝て、栄養を取ってください」と言われても、体調が悪ければ眠りは浅くなり、疲れが抜けないまま仕事に向かうしかない日が続いた。

年齢とともに回復力も落ちてきたのか、ここ最近は少し喉がイガイガするだけで不安になり、風邪を引くたびに治りが遅くなっている実感が強くなっていた。「このまま年を重ねたら、もっと風邪を引くようになるのではないか」という恐怖が頭を離れず、根本的に改善できる方法を探すようになった。

その中で、「免疫の問題だけではなく、自律神経が影響しているのかもしれない」と考えるようになり、鍼灸院にも通い始めた。身体の巡りを整えて風邪を引きにくくなることを期待し、忙しい合間を縫って2年間通い続けたものの、月ごとにやってくる風邪の頻度は変わらなかった。むしろ「なぜ改善しないのか」という焦りが強くなり、次第に気持ちまで追い詰められていった。

そんな折、昔から信頼している友人に体調の不安を相談したところ、「自律神経の問題なら、絶対にここの先生に頼った方がいいよ」と前田カイロを勧められた。その友人は普段から軽い気持ちで人を紹介するタイプではなく、珍しく真剣な表情で話す姿に心が動いた。この言葉が後押しになり、「ここなら何か変われるかもしれない」と思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左上後腸骨棘上端内縁にくぼんだ浮腫

  • 03

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

経過と内容
初診時の状態では、左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左上後腸骨棘上端内縁と第一頸椎左横突起に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と頸部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階も6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアが必要な状態であったが、仕事で残業も多く家事もあることから、無理のない範囲で週末の週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、これまで毎週のように現れていた喉のイガイガ感が出にくくなっていた。「いつもこの時期は喉から風邪の兆候が始まるのに、今年はまだ来ていない」と本人も驚いていた。睡眠の質にもわずかな変化がみられ、起床時のだるさが軽減していた。

6週目(6回目のアジャストメント)には、例年なら確実に風邪を引く気温差の大きい時期であったにもかかわらず、今回だけは症状が出なかった。喉の痛み・鼻水・微熱といったセットのような体調不良が起こらず、仕事を休むこともなく過ごせていた。身体全体の緊張が少し和らぎ、肩や首の張りが以前よりも気にならない時間が増えていた。

12週目(10回目のアジャストメント)には、季節の変わり目でも風邪を引かずに安定して過ごせるようになっていた。これまで月に1回は必ず発症していた喉の炎症が消失し、咳や鼻水といった症状もみられなかった。本人は「こんなに体調が続くのは20年ぶりかもしれない」と話しており、免疫が“落ちる前に踏ん張れる”感覚が出てきていると語っていた。

20週目(15回目のアジャストメント)には、さらに安定した変化がみられた。周囲で風邪が流行した時期にも自分だけ発症せず、長年悩まされていた「治ったと思ってもすぐ次の風邪にかかる」状態がみられなくなった。以前は喉の乾燥に敏感で外出先でもマスクが手放せなかったが、喉のひりつきがほとんど出なくなったことで精神的な不安も大きく軽減していた。

現在は、毎月のように風邪を引いていた生活から解放され、体調が大きく崩れることなく安定した日々を送れている。長年の不調からようやく抜け出せた喜びも大きく、再発防止と健康維持のために、定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の20年以上続いていた頻繁な風邪は、自律神経の乱れが背景にあったと考えられる。

検査で反応がみられた骨盤部と上部頸椎は、どちらも副交感神経の働きと深く関係する領域であり、この部分のサブラクセーションが存在していたことで、副交感神経の機能が十分に働けない状態が長期間続いていたと推測される。その結果として交感神経が過剰に優位となり、自律神経のバランスが崩れやすい身体環境が形成されていた。

人間の免疫と自律神経は密接に連動している。白血球のうち、顆粒球は交感神経と、リンパ球は副交感神経と関係しており、どちらかが強く偏ると白血球の比率が変化し、免疫の働きにも影響が及ぶ。交感神経が優位な状態が続くと顆粒球の比率が高まり、副交感神経が働けていないとリンパ球の比率が低下する。このバランスが乱れると、ウイルスに対する抵抗力が安定しにくく、風邪を引きやすい状態が慢性的に続いてしまう。

本症例のように、20年以上にわたりほぼ毎月のように風邪を引いていたという経過から考えると、このリンパ球と顆粒球の比率の乱れが長期間持続していた可能性が高い。風邪を引くたびに喉・鼻・咳の症状が繰り返され、治ったと思う頃には次の風邪が始まるというサイクルは、自律神経の調整がうまくいっていなかったことと整合する。

アジャストメントによって骨盤部と上部頸椎のサブラクセーションが段階的に解消され、副交感神経の働きが回復してくると、白血球のバランスも徐々に整っていく。その結果、風邪の初期症状が出にくくなり、一度体調を崩しても長引きにくくなる。実際に経過では、毎月のように起きていた喉の違和感や微熱がみられなくなり、季節の変わり目でも体調が安定して過ごせていた。

また、自律神経が整うことで睡眠の質が上がり、深く休息できるようになる。休息による回復力が保たれることは、免疫機能を支えるうえで極めて重要であり、日常生活での疲労の蓄積を最小限に抑える働きにもつながる。これらの変化が積み重なることで、風邪を引きやすかった体質そのものが改善されていったと考えられる。

本症例は、長期間続いた「風邪を引きやすい体質」の背景に、自律神経と免疫機能の関係性が大きく関与していたことを示す例であり、神経機能に着目したアプローチが体質的な部分にまで変化をもたらす可能性を示した臨床例であった。
20年以上、毎月のように繰り返す頻繫な風邪から抜け出せない体調不良
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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