1歳で3~4日にち一度しか出ない小児便秘

1歳で3~4日にち一度しか出ない小児便秘

薬でも治らなかった便秘がカイロプラクティックケアで自然に改善しました!

10歳未満男性
来院に至った経緯
生後半年を過ぎたころから、少しずつ排便の間隔が空くようになり、気づけば3〜4日に一度しか便が出なくなっていた。母乳を飲んでいたころは毎日スムーズに出ていたため、最初は「離乳食が始まったからかな」と軽く考えていたが、次第に便が硬くなり、出すときには顔を真っ赤にして全身でいきむようになった。出ても少量で、コロコロとした便のことが多く、排便後もスッキリした様子が見られなかった。

便秘が続くとお腹が張って苦しそうに泣くことが増え、夜中に何度も目を覚ますようになった。小児科では「離乳食の影響かもしれませんね」「体質的なものです」と言われ、整腸剤を処方されたが、数週間経っても明らかな変化はみられなかった。お腹をマッサージしたり、水分を多めにとらせたり、食事内容を工夫したりと、できる限りのことを試したが改善は見られず、排便が滞るたびに機嫌が悪くなり、食欲にもムラが出てしまっていた。

1歳を過ぎても状況は変わらず、便秘のたびに泣きながらいきむ姿を見るのがつらく、「このまま成長しても大丈夫なのだろうか」と保護者の不安は大きくなっていった。夜泣きも増え、睡眠のリズムが乱れ、家族全体が疲弊していくような感覚さえあったという。

そんなとき、インターネットで「小児 便秘 改善」と検索していたところ、当院のホームページを見つけた。赤ちゃんを診てくれる代替医療がなかなか見つからない中で、当院のHPには“小児の症例”が多数掲載されており、「こんなに小さな子でも診てもらえる場所があるんだ」と希望を感じるようになった。

単にお腹をマッサージするのではなく、「神経の働きと内臓の連動に着目して、体の内側から整えていく」という説明に強く共感し、これまでとはまったく異なるアプローチで子どもの身体を見てもらいたいと思うようになった。薬に頼るのではなく、身体そのものの働きを整えて自然な排便リズムを取り戻してほしいという思いから、当院への来院を決意された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜にスポンジ状の強い浮腫

  • 02

    腰部起立筋の過緊張

  • 03

    下腹部の強い張り

経過と内容
初診時の状態では、体表温度検査で骨盤部の第二仙結節に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また正中仙骨稜に強い浮腫が確認され、腰部起立筋は過緊張の状態であった。下腹部の張りも強く、とても苦しそうであった。初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

1週目(初回のアジャストメント)には、その日の晩に「今までより柔らかい便が自然に出た」と保護者から報告があった。最初はたまたまかと思われたが、翌日以降もお腹の張りが軽減し、表情が穏やかになっていた。夜間の泣きも少し落ち着き、抱っこ時の反り返りが減少していた。

2週目(2回目のアジャストメント)には、この1週間毎日自然な排便がみられるようになった。便の硬さも安定し、排便時のいきみや泣きがほとんどなくなった。体表温度の左右差も縮小し、仙骨部の浮腫が軽減。腹部の柔軟性が戻り、日中の機嫌が良くなったことで、保護者も安心して過ごせるようになっていた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

4週目(3回目のアジャストメント)には、便秘は完全に解消されていた。腹部の張りは消失し、排便リズムが完全に安定。夜泣きや食欲のムラも改善し、全身がリラックスした様子で、睡眠中も深く安定した呼吸がみられた。

現在は、便秘は完全に解消されており、発育も順調に進んでいる。身体のメンテナンスと神経発達のサポートを目的として、月に一度のカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回の小児便秘は、骨盤部、特に仙骨領域における神経機能の低下が主な要因であったと考えられる。小児期の便秘は消化器そのものの異常よりも、神経と内臓の協調的な働きが乱れているケースが多い。特に仙骨部には副交感神経の末梢枝が走行しており、この領域の機能低下は大腸の蠕動運動の低下を引き起こしやすい。

本症例では、初診時に正中仙骨稜に強い浮腫と腰部起立筋の過緊張がみられたことから、骨盤底や下腹部の循環不全、そして仙骨神経の伝達障害が生じていた可能性が高い。こうした状態では、腸管の運動リズムを調整する神経反射が鈍化し、結果として便の送り出しが滞る。さらに、腸内容物の停滞によるガスや腹圧上昇が副次的な痛みや夜泣きを誘発し、交感神経の防御反応を強めるという悪循環を形成していたと考えられる。

アジャストメントによってサブラクセーション(神経機能の滞り)が取り除かれ、仙骨部の神経伝達が正常化すると、骨盤内の血流が改善し、大腸の蠕動が自然に回復した。初回の施術後に柔らかい便が自然に出たのは、神経・血流・筋緊張が瞬時に整い、身体が本来の排泄リズムを取り戻したことを示している。2週目以降に毎日排便が見られたのは、この神経反射の働きが安定的に回復していった結果であり、身体が“便を出す力”を再び学習したとも言える。

さらに、副交感神経が正常に働くことで、大腸の蠕動運動だけでなく排便時に必要な肛門括約筋の開放反射も適切に機能するようになる。特に仙骨神経(S2〜S4)は直腸・肛門周囲の括約筋および骨盤底筋群を支配しており、この領域の神経伝達が回復することで、便を押し出す力と出口を開放するタイミングの調整がスムーズになる。本症例で短期間のうちに自然排便が再開した背景には、この反射機構の正常化が深く関与していたと考えられる。

また、便秘の改善とともに夜泣きが減少したことも重要な臨床的意義をもつ。副交感神経の働きが整うことで睡眠の質が向上し、体内のリズム全体が調和した結果と考えられる。カイロプラクティックでは、このように「神経機能の正常化=内臓リズムの正常化」という一連のプロセスを重視する。

本症例は、乳幼児の便秘に対して薬やマッサージといった外的刺激ではなく、神経の働きを整えるという根本的アプローチによって、身体の自然な排便リズムが短期間で回復した臨床例である。これは、小児期における神経と内臓の連動性の重要性を示すと同時に、カイロプラクティックケアが発達段階の健康維持に果たす大きな可能性を裏付けるものであった。
1歳で3~4日にち一度しか出ない小児便秘
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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