階段を上るたびにズキッと痛む腰痛で外出もつらくなった

階段を上るたびにズキッと痛む腰痛で外出もつらくなった

痛みを気にせず歩けるようになり、娘と買い物を楽しめるようになりました!

70代女性
来院に至った経緯
20代で3回の出産を経験し、3人目を出産した後から腰痛を感じるようになった。最初のうちは「育児の疲れだろう」と軽く考えていたが、寝不足や抱っこ、授乳のたびに腰に重みを感じるようになった。何度かぎっくり腰を起こしたこともあったが、数日間安静にしていれば自然に動けるようになったため、特に治療を受けることはなかった。

50代を過ぎた頃からはぎっくり腰を起こすことはなくなったものの、長時間立っていると腰の奥がジンと痛むようになり、「腰が重たいな」「今日は特に腰が痛いな」と感じる日が増えていった。それでもまだ家事はこなせており、「年齢のせいだろう」と自分に言い聞かせて過ごしていた。

しかし、70代に入ってからは明らかに体の感覚が変わった。朝起き上がるときに腰が固まったように動かず、顔を洗うために前かがみになるだけでも激しい腰痛が出るようになった。掃除機をかけたり、布団を上げ下ろししたりといった家事が苦痛になり、途中で腰に手を当てて休むことが増えた。

特につらいのは階段の上り下りだった。手すりを掴まなければ一段ずつ上がることができず、痛みが腰から太ももにかけてズキッと響くたびに「もう外出は控えた方がいいのかもしれない」と思うようになった。買い物帰りに荷物を持って階段を上るのがつらく、近所への外出さえ億劫になり、家にいる時間が増えていった。

近所の整骨院でマッサージを受けたり、湿布を貼ったりしてみたが、どれもその場しのぎで、翌朝には再び激しい腰痛に襲われる日々だった。整形外科でレントゲンを撮っても「年齢相応の変形ですね」と言われ、痛み止めと湿布を処方されるだけだった。薬を飲んでも根本的な改善はなく、体を動かすたびに「また腰痛が出るのではないか」と恐怖を感じるようになった。

夜中に寝返りを打つたびに腰がズキッと痛み、眠りが浅くなる日々が続いた。家事も外出も思うようにできず、気持ちまで落ち込むようになっていった。そんなとき、娘から「ここの先生に診てもらった方がいい」と当院を勧められた。

「どうせマッサージや湿布を貼られて終わりだろう」と最初は半信半疑だったが、娘の熱心な勧めに背中を押され、「もう一度、自分の足でしっかり歩けるようになりたい」「階段を苦にせず外出できるようになりたい」という思いが芽生え、希望を胸に当院に来院された。


【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右仙骨翼にスポンジ状の強い浮腫感

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と下部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙骨翼と下部腰椎に強い浮腫が確認され、腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中6段階の最も慢性的なD6レベルで重度の骨盤の傾きや腰部前弯カーブの減少、激しい椎骨の変性が確認された。首の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアが必要な状態であったが、他の疾患で総合病院にも通院していたため、無理のない範囲で週2回のケアから開始した。

2週目(3回目のアジャストメント)には、朝起き上がる際の腰の強いこわばりが少し軽くなり、「顔を洗うときに前かがみになっても痛みが和らいだ」と話していた。階段を上るときも一段ずつであればスムーズに動けるようになり、初回時に見られた腰の強張りがやや減少していた。

4週目(6回目のアジャストメント)には、長時間立っていても腰の重だるさが少し軽くなり、掃除や料理など家事をこなす時間が延びた。「台所に立っていても途中で座り込まなくなった」と話しており、身体を支える安定感が戻りつつあった。この段階でケアのペースを週1回に広げた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

8週目(10回目のアジャストメント)には、階段を上る際に腰へ力が入りやすくなり、「手すりを使わなくても上がれる日が出てきた」と話していた。日常生活での動作もスムーズになり、腰の痛みを恐れて避けていた家事にも前向きに取り組む姿勢が見られた。

12週目(14回目のアジャストメント)には、外出の際も腰痛を気にすることがほとんどなくなり、娘と一緒に買い物へ出かけられるまでに回復した。「あの頃の痛みが嘘みたい」と笑顔を見せるようになり、表情にも明るさが戻っていた。

現在は、日常生活で腰痛を感じることはほとんどなく、階段の上り下りもスムーズにできるようになっている。再発防止と身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の腰痛は、骨盤部における神経機能の防御的誤作動が原因であったと考えられる。長年にわたり家事や育児を続けてきたことで、骨盤部には日常的な物理的ストレスが蓄積していた。

特に仙腸関節は姿勢維持において中枢的役割を担う部位であり、この領域の固有受容器が慢性的に刺激を受け続けることで、脳は常に「危険」と判断し、腰部筋群に防御的な緊張を指令していたと推察される。その結果、関節の可動性が制限され、血流障害と代謝異常が重なり、慢性的な腰痛へと移行したと考えられる。

アジャストメントによってサブラクセーションが除去されると、固有受容器の情報が正確に脳幹へ伝達されるようになり、防御反応は徐々に解除されていく。脳が「この関節は安全である」と再認識することで、過剰に働いていた筋緊張が自然に緩み、血流と酸素供給が改善され、腰部組織の代謝回復が進んでいった。

実際、初期の段階では階段昇降や前屈時の痛みが強くみられたが、ケアの継続により徐々に動作の恐怖が減少し、筋活動の協調性が回復した。これは、脳が腰部の動きを再び“安全な動作”として認識した結果であり、神経系の再教育が成功したことを示している。

また、骨盤部は副交感神経の支配領域に属しており、神経機能の回復は全身の恒常性にも良い影響を及ぼす。睡眠の質や血流の改善、精神的安定などが得られたのも、神経系が適切に情報を統合できるようになった結果である。

この症例は、「年齢による構造変化」ではなく「神経機能の再統合」に焦点を当てたケアによって、身体が再び本来の能力を取り戻した好例である。痛みとは、身体が壊れたサインではなく、“まだ修復できるという信号”であることを示したものであり、痛みと年齢は関係ないことを証明している症例であった。
階段を上るたびにズキッと痛む腰痛で外出もつらくなった
階段を上るたびにズキッと痛む腰痛で外出もつらくなった 階段を上るたびにズキッと痛む腰痛で外出もつらくなった 階段を上るたびにズキッと痛む腰痛で外出もつらくなった

ご予約・お問合せはお電話またはLINEから

お電話での予約
TEL:0466-21-9624
LINEでの予約
QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop