関節リウマチによる止まらない炎症とこわばりに奪われた日常

関節リウマチによる止まらない炎症とこわばりに奪われた日常

趣味も仕事も再び楽しめるようになり、前向きな毎日を取り戻せました!

40代女性
来院に至った経緯
小さい頃から手先が器用で、趣味の編み物や料理で家族を喜ばせることが好きだった。結婚後も家事や仕事を両立しながら、休日には子どもと公園で遊んだり、友人と旅行に行ったりと、活動的な日々を送っていた。

ところが数年前から朝起きると指がこわばって動かしにくくなり、握りこぶしを作るのに何分もかかるようになった。最初は「年齢のせいだろう」「家事やパソコン作業で手を酷使しているからだ」と軽く考えていたが、徐々に症状は悪化。朝のこわばりは1時間以上続くようになり、関節が赤く腫れて熱を持つことも増えた。

手指だけでなく膝や足首まで腫れや痛みが広がり、階段の上り下りや子どもと遊ぶことさえ辛くなった。買い物袋を持ち上げるのも困難になり、日常の小さな動作ひとつひとつが苦痛に変わっていった。大好きだった編み物や料理も思うようにできず、「自分らしさ」が少しずつ奪われていくような感覚に苛まれていた。

整形外科を受診すると血液検査と画像診断で「関節リウマチの疑い」と告げられ、薬物療法を勧められた。しかし「薬を一度始めたら一生やめられないのでは」「副作用でさらに体調を崩すのでは」という不安が強く、決断できなかった。そうして迷っている間にも痛みと腫れは進行し、仕事のミスが増え、家族にも心配をかけるようになった。

「このまま関節が変形し、動けなくなってしまうのではないか」。そんな恐怖と焦りが強くなる一方で、精神的にも追い詰められ、夜に一人で泣いてしまうこともあった。

学生時代からの友人に相談したところ「体の不調なら絶対にここ!」と当院を紹介された。半信半疑でインターネットで当院を検索してみると、同じように関節リウマチで苦しんでいた人が改善されたという記事や口コミを見つけた。

「薬に頼るしかないと思っていたけれど、もしかしたら根本から身体を変える方法があるかもしれない。」と希望を胸に、当院に来院された。


【神奈川県平塚市から来院】
初診の状態
  • 01

    下部頸椎の明らかな可動域制限

  • 02

    隆椎周辺の強い浮腫感

  • 03

    頸部全体の熱感(炎症)

経過と内容
初診時の状態では、下部頸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査でも、下部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺に強い浮腫が確認され、頸部は強い筋緊張と熱感をおびて炎症している状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中2段階のD2レベルが確認された。首の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の多忙で平日は時間を作ることが難しく、週末の週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、朝の手指のこわばりが依然として残っていたものの、頸部の熱感は初診時に比べてやや落ち着きを見せ始めた。本人も「夜間の痛みで目が覚めることが減ってきた」と口にし、小さな変化ながら改善の兆しが見えた段階であった。

7週目(7回目のアジャストメント)には、手指の腫れが少しずつ引き、関節の動きが楽になってきた。頸部の熱感もさらに軽減し、首や肩の緊張が和らぐことで日常生活の動作も取りやすくなった。仕事でパソコン作業を続けても、以前のようにすぐ炎症がぶり返すことは少なくなった。

13週目(13回目のアジャストメント)には、階段の上り下りや買い物袋を持ち上げるときの痛みが大幅に軽減し、腫れも安定してきた。関節の可動性が戻るにつれて表情も明るくなり、本人は「久しぶりに家族と一緒に出かけたいと思えるようになった」と話すようになった。

21週目(21回目のアジャストメント)には、炎症を伴う頸部の熱感はほぼ消失し、朝のこわばりも短時間で解消されるようになった。趣味だった編み物や料理を少しずつ再開できるようになり、失っていた自信や生活の喜びが取り戻されつつあった。

現在は、手のこわばり具合も順調に回復しているが、再発防止と身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の関節リウマチは、自律神経の乱れによって免疫機能の制御が効かなくなり、自己免疫反応が過剰に働いていたことが原因であったと考えられる。

免疫系は自律神経の調整を強く受けており、交感神経が過剰に優位となると顆粒球が増加し炎症が悪化する。逆に副交感神経が十分に機能することでリンパ球の比率が高まり、免疫反応を抑制・修復に導く。この恒常性が崩れたときに、自己免疫疾患は発症・増悪する。

本症例では、下部頸椎に明らかな反応と頸部の強い熱感が認められた。下部頸椎は甲状腺と関連が深く、交感神経支配の影響を受けやすい部位である。初診時には炎症に伴う熱感が強く、自律神経バランスが大きく崩れていたと考えられる。

アジャストメントによって下部頸椎への負担を解放した結果、頸部の炎症が徐々に引き、交感神経が本来の調整機能を取り戻し始めた。その過程で副交感神経とのバランスも回復し、免疫系が過剰な自己反応から安定に向かったと解釈できる。

また、関節リウマチの患者においては、上部頸椎へのアプローチは慎重でなければならない。環椎横靭帯が弛緩している場合があり、この状態で不適切にアジャストメントを行うと脊髄や延髄に重大なリスクを及ぼす。

レントゲン評価においてはADI(Atlanto dental Interval)スペースの正確な測定が不可欠であるが、本症例ではADIスペースの増大が確認されたため、上部頸椎へのアプローチは禁忌と判断した。これにより、安全を確保しながら下部頸椎を中心にケアを進めることができた。

本症例は、関節リウマチのような自己免疫疾患であっても、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが炎症の制御に寄与することを示すと同時に、レントゲン評価を伴う臨床判断の重要性を明確に示すものであった。

特にADIスペースを含む上部頸椎の評価は、安全にカイロプラクティックケアを行う上で不可欠であり、不用意にアジャストメントを行うのではなく、科学的根拠と臨床的判断に基づいたアプローチが必要であることを示した症例であった。
関節リウマチによる止まらない炎症とこわばりに奪われた日常
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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