薬も効かず仕事も生活も苦しめた子宮内膜症による生理痛

薬も効かず仕事も生活も苦しめた子宮内膜症による生理痛

毎月の激痛から解放され、笑顔で仕事や生活を送れるようになりました!

30代女性
来院に至った経緯
学生時代から生理痛が強く、休みの日はベッドで丸くなって耐えるしかないことも多かった。20代後半になるとその痛みはさらに強くなり、仕事の日でも下腹部の重だるさや鋭い痛みに顔をしかめながら過ごすようになった。出勤はできても、会議や接客で笑顔を保つのが難しいほどで、同僚から「体調大丈夫?」と心配されることもしばしばあった。

特に生理前から一週間ほどは強い腹痛に加えて腰の重苦しさや吐き気、下痢や便秘が繰り返し起こり、夜はなかなか眠れなかった。寝不足のまま仕事に行き、日中も集中力が続かず、気持ちまで落ち込んでしまうことが増えた。

婦人科を受診した結果「子宮内膜症」と診断され、ホルモン療法を勧められた。ピルの処方も受けたが、服用すると頭痛や吐き気といった副作用が強く、長く続けるのは難しかった。医師からは手術の選択肢についても説明されたが、将来の妊娠への影響が心配で踏み切れなかった。

「せめて薬以外の方法で少しでも楽になれないか」と考え、体を冷やさないようにしたり、ヨガやストレッチを取り入れたり、食事に気を配ったりと工夫を重ねた。しかし痛みが改善するどころか、周期が来るたびに仕事や生活が制限されていく現実に直面し、焦りや不安は募る一方だった。

そんなとき、知人から「同じように子宮内膜症で悩んでいた人がカイロプラクティックで症状が和らいだ」という話を耳にした。半信半疑で当院のホームページを開いてみると、婦人科系の不調から解放されて笑顔を取り戻した人の体験談が掲載されていた。

自分の姿と重ね合わせるように読み進めるうちに、「ここなら薬や手術以外で根本的に助けてもらえるかもしれない」という希望が生まれ、来院を決意した。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右上後腸骨棘上端内縁にくぼんだ浮腫

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右上後腸骨棘上端内縁と第一頸椎右横突起に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と頚部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階も6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、平日は残業が多いため通院が難しく、週末の週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、夜によく眠れるようになったのか日中の仕事中に集中力が増したように感じ、「よくわからないけれど体調が良い」と本人が話すようになった。

5週目(5回目のアジャストメント)には、ケアを始めてから初めての生理が来たが、これまでのように動けなくなるほどの激痛ではなく、鎮痛薬を服用しながらも仕事を休まずに過ごせる程度に収まった。本人も「痛みの質が変わったように感じる」と話し、初めて確かな改善を実感した。

9週目(9回目のアジャストメント)には、次の生理時の痛みがさらに軽くなり、薬を飲む回数も以前より大幅に減った。加えて、普段から感じていた下腹部の張りや腰の重さも和らぎ、日常生活のストレスが減ってきた。

14週目(14回目のアジャストメント)には、生理に伴う強い痛みはほとんど出なくなり、仕事や日常生活に支障が出ることはなくなった。「毎月のことだから仕方ない」とあきらめていた生理痛に怯えることがなくなり、生活の質そのものが大きく改善した。

現在は、子宮内膜症による生理痛などの不調は完全に落ち着いているが、ホルモンバランスの安定を維持し、再発を防ぐために定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の子宮内膜症による諸症状は、自律神経の乱れから女性ホルモンの分泌異常が背景にあったと考えられる。

子宮内膜症は、エストロゲンの過剰分泌やプロゲステロンの機能低下といったホルモンバランスの崩れにより、子宮内膜組織が本来の位置以外で増殖することが知られている。

その結果、慢性的な炎症や強い生理痛、下腹部の張り、不妊傾向など多岐にわたる症状を引き起こす。こうしたホルモン分泌は視床下部―下垂体―卵巣系のリズムによって調整されているが、その上位に存在するのが自律神経である。

自律神経が乱れると、視床下部のリズムが乱れ、エストロゲンとプロゲステロンの周期的な分泌に歪みが生じる。特に交感神経が過剰に働くと副交感神経の働きが抑制され、骨盤内臓器の循環不全が起こりやすくなる。血流が滞れば酸素供給が低下し、炎症産物や代謝老廃物が排出されにくくなるため、症状はさらに悪化しやすくなる。

子宮内膜症や強い生理痛の背後にはプロスタグランジンの過剰産生があることも重要である。プロスタグランジンは子宮を収縮させて経血を排出する役割を持つが、過剰に分泌されると子宮筋の過収縮を引き起こし、強い疼痛や吐き気、腰痛を伴うことがある。

炎症性サイトカイン(IL-1やTNF-αなど)が局所で放出されることで痛みをさらに増強し、慢性的な骨盤内炎症が固定化する悪循環が生まれる。プロスタグランジンや炎症性サイトカインの産生はホルモンバランスや自律神経活動に影響を受けるため、交感神経優位の状態が続くことはこれらの過剰反応を助長する可能性が高い。

今回の患者においても、骨盤部や上部頸椎といった副交感神経支配領域にサブラクセーション(根本原因)が確認された。これらをアジャストメントによって整えることで、自律神経のバランスが回復し、ホルモン分泌やプロスタグランジン産生、炎症性サイトカインの過剰反応が抑制されたと推測される。

その結果、骨盤内循環が改善され、長年悩まされていた強い生理痛が次第に軽快し、仕事や日常生活に大きな支障を来さないレベルにまで回復していったと考えられる。

あらためて、自律神経の安定とホルモンバランスの調整、さらには炎症反応の抑制が女性特有の疾患改善において決定的に重要であることを確認できる内容であった。
薬も効かず仕事も生活も苦しめた子宮内膜症による生理痛
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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