目薬では改善しなかった眼精疲労と視界異常

目薬では改善しなかった眼精疲労と視界異常

「視界が真っ白になる恐怖」から解放され、安心して仕事や生活を送れるようになりました!

30代女性
来院に至った経緯
事務職としてパソコン作業を中心に毎日忙しく働いていた。業務は細かい資料作成やデータ入力が多く、気付けば一日中モニターを凝視していることも珍しくなかった。さらに帰宅後もスマートフォンで情報を調べたり、SNSを見たりと、生活の大半を画面に向かう時間が占めていた。

もともと几帳面な性格で、与えられた仕事は最後まで責任を持ってやり遂げるタイプだった。そのため多少の疲労を感じても「これくらいなら大丈夫」「休めば回復する」と自分に言い聞かせ、無理を重ねていた。家事や買い物も手を抜くことなくこなしていたが、心のどこかで「最近ずっと疲れているな」と気付いていた。

次第に目の奥が重だるく感じられ、集中力が途切れるようになった。夕方になると頭痛や肩こりまで伴うようになり、帰宅しても疲れが抜けない。休日も朝から目がショボショボして、趣味だった読書もページをめくる気力がなくなり、自然と手が遠のいてしまった。さらに料理をしていてもレシピ本の文字がかすんで見づらく、以前のように楽しめなくなっていった。

不安になり、市販の目薬をいくつか試してみた。最初は「これで少しでも楽になるなら」と期待したが、差した直後に一瞬潤う感覚があるだけで、すぐに重だるさやかすみが戻ってしまった。中には、かえって目の不快感が強まったように感じるものもあり、「やはり根本的には良くならないのでは」と不安が募っていった。

そんなある日、パソコンに向かっている最中に突然目がチカチカし、視界が真っ白にかすんでしまった。一瞬ほとんど見えなくなり、あまりの恐怖に手が止まった。「このまま失明してしまうのではないか」と背筋が凍る思いがし、その後もしばらく視界がぼやけ、仕事どころではなくなってしまった。

不安になり眼科を受診したが、「目に特別な異常はないので、目薬を使いながら様子を見ましょう」と言われるだけであった。処方された目薬を差すと市販薬と同様に一時的に潤うような感覚はあったが、すぐに重だるさや視界の不快感が戻ってきてしまい、根本的な改善には至らなかった。

「このままでは仕事を続けるのも難しくなるのではないか」「将来的に目の病気につながるのではないか」という不安は日に日に大きくなっていった。家に帰ってもリラックスできず、寝ても疲れが取れない感覚が続き、精神的にも追い詰められていった。家族と過ごす時間もどこか上の空で、笑顔が減っていることに自分でも気付いていた。

そんなとき、同じ職場の同僚との雑談の中で「私も目の疲れで悩んでいたけれど、ここの先生に診てもらって楽になったよ」と当院を紹介された。信頼している同僚の体験談だったこともあり、最初は「目の不調とカイロプラクティックが本当に関係あるのだろうか」と半信半疑ではあったが、「自分も楽になるかもしれない」と一筋の希望を抱き、当院に来院された。


【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎右横突起にスポンジ状の浮腫

  • 02

    後頭部の過緊張

  • 03

    頸部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎と右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎右横突起と右仙骨翼に強い浮腫が確認され、後頭部と頸部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中2段階のD2レベルに加えて反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中2段階のD2レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

後頭部や頸部胸鎖乳突筋の異常な筋緊張などの検査所見と、本人の強い希望もあって初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、首から後頭部にかけての重だるさが軽減し、「頭がスッキリして視界が広がったように感じる」と本人も驚いた様子を見せた。仕事後の疲労感はまだ残るものの、夜の入眠がややスムーズになったと報告された。

4週目(4回目のアジャストメント)には、夕方になると必ず出ていた頭痛が軽減し、仕事を終えても以前ほど強い疲労感に襲われなくなった。市販の目薬を使う頻度も少しずつ減り、週末は趣味の読書を久しぶりに楽しむことができたと語った。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

10週目(7回目のアジャストメント)には、目のチカチカ感がほとんど出なくなり、恐怖を感じていた「視界が真っ白にかすむ」症状は一切出なくなった。肩から首にかけての緊張も緩和され、以前よりもデスクワーク中に姿勢を保ちやすくなった。

18週目(11回目のアジャストメント)には、頭痛や視界のかすみといった症状は完全に消失し、日常生活に支障を感じることがなくなった。本人も「以前は毎日のように不安を抱えていたが、今はその不安から解放された」と話しており、精神的な安定も見られるようになった。

現在は、眼精疲労に伴う症状は落ち着いたが、二度と「視界が奪われる恐怖」を味わいたくないという思いから、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の眼精疲労は、長時間にわたるパソコン業務やスマートフォン使用により、上部頸椎に強い負担が蓄積したことが大きな要因であったと考えられる。特に第一頸椎周囲に確認された浮腫や後頭部・胸鎖乳突筋の過緊張は、視覚機能と深く関わる神経・血管系への影響を示唆していた。

上部頸椎のサブラクセーション(根本原因)は椎骨動脈の血流を妨げる可能性があり、それに伴う後頭部や視覚野への血流不足は「視界が真っ白になる」「チカチカと光が走る」といった一過性の視覚異常を引き起こしやすいことが報告されている。

検査では、上部頸椎と骨盤部といういずれも副交感神経に関連する部位に明らかな反応が見られた。副交感神経の機能低下は自律神経全体のバランスを崩し、交感神経が過剰に優位となる。

この結果、頭頸部の筋緊張亢進、血流障害、眼精疲労、そして不眠や不安感といった精神的症状にもつながることが知られている。実際に本症例でも、日常的に強い緊張状態が続いており、休息をとっても疲れが抜けない状態が確認された。

市販の目薬が一時的な潤いを与えるだけで症状を根本的に改善できなかった点も重要である。これは眼精疲労の背景に「局所的な乾燥」ではなく「神経機能と血流異常」が関与していたことを裏付ける。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれると、頸椎の安定性が改善し、視覚関連領域への血流や神経伝達が回復する。同時に副交感神経が適切に働き始めることで、自律神経バランスやホルモン調整が整い、頭痛や肩こり、不安感までも改善が見られた。

この症例は、眼精疲労を単なる「目の酷使」として片付けるのではなく、頸椎・自律神経・といった全身の機能的要因を包括的に評価する必要性を示している。特に「視界が奪われる恐怖」を伴うような症状は、局所的な対策だけでは解決できず、神経学的な評価とカイロプラクティックケアが有効であることを示す臨床的に意義深い症例であった。
目薬では改善しなかった眼精疲労と視界異常
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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