目の奥がズキズキ痛む眼精疲労による激しい頭痛

目の奥がズキズキ痛む眼精疲労による激しい頭痛

薬でも治らなかった目の奥の痛みが消え、視界が明るく感じられるようになりました!

50代男性
来院に至った経緯
40代半ば頃から、仕事中に目の奥がズーンと重くなるような違和感を感じ始めた。最初は「少し疲れているだけだろう」と思っていたが、夕方になると目の奥がズキーンと痛み、開けていられないほどの強い頭痛を伴うようになっていった。

デスクワーク中心の仕事で、朝から晩までパソコン画面と向き合う日々。40代に入ってからは管理職となり、会議や資料作成、部下の指導など、神経を張り詰める時間が増えた。気づけば、毎日のように「目が重い」「頭が痛い」と感じながら仕事をしていた。

最初は市販の目薬を使って様子を見ていたが、改善するどころか悪化していく一方だった。「もしかして目の病気かもしれない」と不安になり眼科を受診。検査の結果、眼圧がやや高いものの視神経や網膜には異常はなく、「目の使い過ぎですね」と言われ、点眼薬を処方された。しかし、点眼を続けても痛みは引かず、仕事の後半には目を開けているのもつらくなった。

視力自体はむしろ良すぎるほどで、50代になった今でも老眼の兆候がなく、眼鏡を使うこともなかった。「見えすぎることが逆に疲れの原因なのかもしれない」と思い、パソコンやスマホの画面を暗くしたり、ブルーライトカットの眼鏡を掛けたりと様々な工夫をしたが、まったく効果がなかった。

血流が良くなると評判だった鍼灸院にも定期的に通い、針治療を受けていたが、特に変化がなかった。頭痛が強い日は、目の奥にズキーンと響くような痛みで仕事どころか会話すら集中できなくなり、帰宅後は部屋を真っ暗にして横になるしかなかった。頭痛薬を飲んでも効かず、夜も寝つけない日が続いた。

次第に「これは単なる目の疲れではない」と感じるようになり、内科や神経内科も受診したが、脳のMRIにも異常は見つからなかった。どの医師も「ストレスや疲労が原因でしょう」と言うばかりで、根本的な解決策は得られなかった。

そんなとき、同じ職場の同僚が「目の奥の痛みや頭痛がカイロプラクティックで楽になった」と話していた。「目の症状にカイロプラクティック?」と最初は半信半疑だったが、仕事柄座りっぱなしで腰痛にも悩んでいたため、一度試してみようと思い当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎の明らかな可動域制限

  • 02

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

  • 03

    頸部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎と左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と左仙骨翼に強い浮腫が確認され、頸部胸鎖乳突筋と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアが必要な状態であったが、平日は残業続きで難しいとのことで、無理のない範囲で週末の週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、目の奥の重さが少し軽くなり、「仕事中に目を細める時間が減った」と話していた。以前は午後になると目の奥がズキズキと痛み出していたが、痛みの出るタイミングが遅くなり、夕方まで集中できる日が増えていた。

4週目(4回目のアジャストメント)には、夕方に感じていた強い頭痛が出ない日が出てきた。「仕事が終わっても、目を開けていられないほどの痛みがなくなった」と話し、痛み止めを飲む回数も減っていた。夜も頭の痛みで目が覚めることがなくなり、睡眠の質が改善してきた。

7週目(7回目のアジャストメント)には、午前中から続いていた目の奥の違和感がほとんど消失し、「一日の後半になっても目が重くならない」と感じるようになった。この頃から表情にも明るさが戻り、「頭痛を気にせず仕事ができるようになってきた」と話していた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

12週目(10回目のアジャストメント)には、頭痛や眼精疲労の症状はほぼ消失し、仕事中に感じていた肩や首のこわばりも軽減していた。以前はパソコン作業を1時間続けるだけで目が霞んでいたが、今では数時間集中しても問題なく過ごせるようになった。休日も頭痛を恐れずに出かけられるようになり、心身ともに安定した状態を取り戻していた。

現在は、眼精疲労による頭痛のような症状は完全に落ち着き、再発もなく安定している。仕事中の集中力も向上し、「以前よりも視界がクリアに感じる」と話している。今後も神経の働きを維持し、体調を安定させる目的で定期的なカイロプラクティック・ケアを継続している。

考察
今回の眼精疲労からの頭痛は、上部頸椎の機能低下が原因であったと考えられる。

上部頸椎は脳と身体をつなぐ神経の最上位に位置し、眼球運動や自律神経の調整にも深く関与している。特に第一頸椎(アトラス)周囲には、眼球を支配する動眼神経や滑車神経、外転神経などの中枢と密接に連携する神経核が存在する。この領域にわずかな可動性の乱れが生じるだけでも、血流や神経伝達のわずかな誤差が眼精疲労や頭痛として現れることがある。

デスクワークのように長時間前屈姿勢を続けると、頭部を支える上部頸椎に持続的な緊張がかかる。これにより後頭下筋群が過剰に緊張し、椎骨動脈の血流が制限されることで、脳幹や視覚中枢への酸素供給が低下する。脳はこの変化を「危険信号」として捉え、交感神経を優位にして血管を収縮させる防御反応を起こす。その結果、眼の奥にズキーンと響くような頭痛が生じる。

さらに、神経系が緊張状態にあると、眼球を動かす筋群の協調が乱れ、ピント調節に関わる毛様体筋が常に働き続ける状態となる。これがいわゆる「目の奥の痛み」や「焦点が合わない感覚」として表れる。眼の問題のように思えても、実際は脳幹から頸椎へと伸びる神経ループ全体が過緊張を起こしている状態である。

カイロプラクティック・ケアによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれると、上部頸椎の固有受容器が正しく働き、脳と神経系との情報伝達が正常化する。脳は「もう防御しなくてよい」と判断し、過剰に働いていた交感神経活動を抑制する。これにより、頭部や眼周囲の筋緊張が自然に緩み、血流が回復する。結果として眼球運動が滑らかになり、頭痛や眼精疲労が改善していく。

神経の働きが整うことで、自律神経のバランスも回復し、呼吸や睡眠リズム、集中力といった生命活動全体が安定する。今回の症例でも、神経機能の回復とともに「頭痛が出ない」「視界が明るく感じる」といった変化が見られたのは、まさに神経生理学的な改善の証である。

痛みを抑えるのではなく、神経が正しい状態に戻ることで自然と回復が起こった本症例は、上部頸椎のわずかな機能低下が全身の感覚と自律神経バランスにどれほど大きな影響を与えるかを示した、非常に示唆に富む症例であった。
目の奥がズキズキ痛む眼精疲労による激しい頭痛
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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