止まらない動悸と重圧に押し潰されそうになった日々

止まらない動悸と重圧に押し潰されそうになった日々

原因不明と言われた動悸が落ち着き、再び自分らしい生活を取り戻せました!

50代男性
来院に至った経緯
金融機関に長く勤め、支店長という責任ある立場を任されることになった。だがその背景には、自分の一つ前の支店長が業務上の不正と判断ミスによって左遷されるという出来事があり、繰り上がりで就任したという経緯があった。

そんな出来事を目の当たりにしていたため、「次は自分の番になるのではないか」と常に背筋を伸ばして気を張り続け、部下の手前も弱みを見せられない日々が始まった。

支店長としての責任は重く、数字の目標は常に上から突きつけられる。会議では本部役員から厳しい追及を受け、ミスを許されない緊張感のなかで業務を進める毎日だった。夜は帰宅しても気持ちが落ち着かず、布団に入っても目を閉じると翌日の会議の場面が頭に浮かんでしまう。深い眠りに落ちることができず、睡眠時間を確保しても疲労感は取れなかった。

ある日、胸の鼓動が突然強くドキドキと打つようになった。最初は緊張のせいだと思っていたが、業務中だけでなく夜間の休息時や休日にも出るようになった。会議で発言する直前や、顧客と面談する最中に動悸が止まらなくなり、呼吸が浅くなって声が震えることすらあった。

「このまま倒れてしまうのではないか」という不安に駆られ、周囲には悟られまいと必死に取り繕いながらも、内心では恐怖に支配されていった。

不安になり病院を受診して、心電図やエコー、脳のMRIなど精密検査を受けた。しかし結果は「心臓にも脳にも異常なし」。医師からは「おそらくストレスでしょう。薬を飲んで様子を見ましょう」と告げられた。

原因がわからないまま薬を渡されることに強い不信感を覚え、「根本的な解決にはならない」と考えて薬を飲むことを拒んだ。

その後も動悸は繰り返し現れ、仕事だけでなく家庭生活にも影を落とした。家族と食事をしていても胸が苦しくなり、楽しいはずの時間に集中できない。趣味だった読書も落ち着いてできず、外出も避けるようになった。

「支店長としての責務を果たすどころか、日常生活すらままならなくなるのではないか」という焦りが募る中で、YouTubeで塩川満章先生の動画を見る機会があった。素人目に見てもSNSで診る整体師とはレベルが違うと感じ、「この先生ならなんとかしてくれるかもしれない」と希望が湧いた。

ところが、塩川先生が「新規の予約を停止している」と知り、落胆した。せっかく見つけた希望を諦めきれず調べてみると、塩川カイロプラクティックで副院長を務めていた当院院長の存在を知り、藁にもすがる思いで当院に来院された。


【神奈川県横浜市泉区から来院】
初診の状態
  • 01

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

  • 02

    頸部胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    左仙腸関節の可動域制限

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎と左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と左仙骨翼に強い浮腫が確認され、頸部胸鎖乳突筋と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中5段階の慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きが確認され腰部前弯カーブが減少していた。首の椎間板の段階も6段階中5段階の慢性的なD5レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、毎晩のように会議があり平日はとてもケアを受けに来れる状況ではなかったため、休日に週1回のケアから開始した。

4週目(4回目のアジャストメント)には、依然として会議や顧客対応の直前には胸が高鳴るような感覚が残っていたが、夜間に目が覚めるほどの強い動悸はやや減少していた。本人も「眠りが少し深くなった」と語り、改善の兆しがわずかに見え始めた。

7週目(7回目のアジャストメント)には、休日に自宅でくつろいでいる際の不意の動悸が軽減し、精神的な落ち着きを取り戻しつつあった。仕事中にも突然胸が苦しくなることは減り、以前よりも業務に集中できる時間が増えてきた。

13週目(12回目のアジャストメント)には、会議の前に必ず襲っていた強い緊張感と動悸が弱まり、声が震えることもなくなった。本人は「以前は発言前から心臓が暴れるようで辛かったが、今は冷静に話せる」と実感を語った。この頃から、仕事後も疲労感に余裕が生まれ、家族との時間にも笑顔が戻るようになった。

19週目(18回目のアジャストメント)には、動悸はほとんど気にならなくなり、睡眠の質も大きく改善した。休日には趣味のゴルフを再開する余裕も出てきて、「ようやく以前の自分を取り戻せた」と本人は喜びを表していた。

現在は、動悸の症状はほとんど落ち着いているが、再発防止と身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の動悸は、左側の迷走神経に負担がかかっていたことが主な原因であったと考えられる。検査所見では、上部頸椎と骨盤部に明らかな反応が確認された。

上部頸椎は迷走神経と解剖学的に密接な関係を持ち、心臓や消化器の働きを含む内臓機能の調整に深く関わっている。心臓自体に器質的な異常がなく、それでも動悸や不整脈が生じる場合、その背景には迷走神経をはじめとする自律神経の不均衡が関与しているケースが多い。

さらに、上部頸椎と骨盤部はいずれも副交感神経の支配領域であり、身体の恒常性を保つうえで極めて重要な役割を担っている。本症例では、副交感神経の働きが低下していたため、交感神経が過剰に優位となり、常に身体が緊張状態に置かれていたと解釈できる。

交感神経の過活動は心拍数の上昇や末梢血管の収縮を招き、血流異常を生み出す。これが循環の停滞をさらに助長し、動悸を繰り返す悪循環を生み出していた可能性は高い。

アジャストメントによって上部頸椎と骨盤部に生じていたサブラクセーション(根本原因)が解消されると、迷走神経を含む副交感神経の働きが回復し、交感神経とのバランスが整ってきた。その結果、心拍数や循環機能は安定し、過剰な緊張状態から解放されていったと考えられる。

実際にケアの経過とともに夜間の動悸が減少し、睡眠の質が向上したことは、副交感神経の機能回復を示唆している。本症例は、動悸という一見「心臓の病気」と思われやすい症状であっても、その根本には自律神経の乱れが存在しうることを明確に示している。

とりわけ、迷走神経を中心とした副交感神経の働きは、循環や心拍の安定に不可欠である。あらためて神経の流れを整えることが、自らの「治るチカラ」を100%発揮し、根本的な改善につながることを証明できた症例であった。
止まらない動悸と重圧に押し潰されそうになった日々
止まらない動悸と重圧に押し潰されそうになった日々 止まらない動悸と重圧に押し潰されそうになった日々 止まらない動悸と重圧に押し潰されそうになった日々

ご予約・お問合せはお電話またはLINEから

お電話での予約
TEL:0466-21-9624
LINEでの予約
QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop