検査では異常なしと言われ続けた中学生の食欲不振

検査では異常なしと言われ続けた中学生の食欲不振

娘が食欲を取り戻し、毎日笑顔でご飯を食べられるようになりました!

10代女性
来院に至った経緯
中学生になった頃から娘の食欲が急に落ち、食事の量が極端に減っていった。最初は「思春期で好きな子でもできたのかな」と軽く考えていたが、成長期にもかかわらず体重が減っていく姿を見て、不安は次第に大きくなっていった。

娘ときちんと話をしてみると、「お腹は空かないし、食べても気持ち悪くなる」と訴えていた。病気の可能性を心配して病院でできる限りの検査を受けさせたが、医師からは「異常はありません。思春期によくあることです」と説明されるだけで、原因は分からなかった。

小学生の頃から脂っこい食事を好まず、和食やあっさりしたものを選んでいた娘。好物を用意しても数口で「もう無理」と顔をしかめ、ときにはすぐに吐いてしまうこともあった。

ある日、娘の手を握ると氷のように冷たく驚いた。「手冷たくないの?」と聞くと、「前からだよ。足の方がもっと冷たい」と笑って答えた。試しに脚を触ると、まるで冷凍庫から出したばかりの肉のように冷たくなっており、思わず背筋が凍るほど心配になった。

「やはり何か深刻な病気が隠れているのでは」と考え、大きな病院へも連れて行った。しかし検査結果は同じで「異常なし」。親としては安心どころか、どうして良いのか分からない焦燥感だけが募っていった。

その後、ママ友に相談すると「手足の冷えや食欲不振は自律神経が関係しているのでは?」と教えてもらった。鍼灸院にも行ってみたが、娘が針を強く拒否して施術はできず、別の整体院では「中学生には対応できない」と断られてしまった。怖がりの娘が受け入れられる場所が見つからず、途方に暮れていた。

そんなとき、別のママ友から「ちょっと遠いけど、ここは子どもの実績がすごいよ」と当院を紹介された。試しにホームページを見てみると、小学生や中学生の症例が数多く掲載されており、どの子も元気を取り戻している様子が伝わってきた。「ここなら娘を根本的に助けてもらえるかもしれない」と希望が芽生え、思い切って来院を決意した。


【神奈川県二宮町から来院】
初診の状態
  • 01

    正中仙骨稜に強い浮腫感

  • 02

    第一頸椎左横突起にスポンジ状の浮腫

  • 03

    頸部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、第一頸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また正中仙骨稜と第一頸椎左横突起に強い浮腫が確認され、頸部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、仙骨が過剰なほど前傾になっており、その影響で過剰な反り腰が確認された。首の椎間板の段階もそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

中学2年生の女の子で成長期真っただ中であり、女性にとって体内のホルモンバランスの影響で体が急速に変化していく時期だったので、初期集中期の段階では週1回のケアから開始した。

1週目(初回のアジャストメント)には、施術後に「体が少し軽い」と話しており、その日の夜は久しぶりに深く眠れたと母親から報告を受けた。

3週目(3回目のアジャストメント)には、以前より食事の時間に「お腹が空いた」と口にするようになり、量は少ないながらも食べる意欲が出てきた。母親も「食べる姿に安心した」と変化を実感していた。

6週目(6回目のアジャストメント)には、夕食をほぼ完食できる日が増え、食後に気持ち悪さを訴えることも減った。これまで冷たかった手足にも温かさが戻り、顔色も明るくなってきた。

8週目(8回目のアジャストメント)には、朝から「今日のご飯はなに?」と聞いてくるようになり、自然に食卓を囲むことができるようになった。体重も少しずつ戻り始め、日中の活動量も増えて元気に学校生活を送れるようになった。

現在は、食欲もしっかりと戻り、安心して毎日を過ごせるようになった。ただ、翌年には高校受験を控えていることもあり、勉強や生活のリズムで再び体調を崩さないように、健康維持のため定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の食欲不振は、自律神経の乱れが背景にあったと考えられる。

検査においては、上部頸椎および骨盤部に明らかな反応が確認された。これらはいずれも副交感神経と密接に関わる領域であり、その機能低下が示唆された。

副交感神経は消化管の働きを促す役割を担っているため、この領域に問題があれば、食欲不振や「食べると気持ち悪い」といった症状に直結しやすい。

母親が手に触れて「異常に冷たい」と感じた際、本人が「足はもっと冷たい」と答えていたことからも、末端冷え性の自覚は数年前から存在していたと考えられる。末端冷え性は単なる血流不足ではなく、交感神経の過剰な働きの表れである。

交感神経には末梢血管を収縮させる作用があり、その状態が長期間続けば、末梢循環が阻害され冷えが慢性化する。血流低下は消化器系の働きにも影響を及ぼし、食欲低下や吐き気などをさらに悪化させる要因となる。

思春期である中学2年生は、成長やホルモンバランスの変化によって自律神経が不安定になりやすい時期である。病院での検査では「異常なし」とされても、実際には神経の働きが乱れていれば症状は持続する。

今回のケースは「成長期特有」と片づけられがちな問題が、実際には自律神経のアンバランスによって引き起こされていたことを示している。

アジャストメントによって上部頸椎と骨盤部の神経機能が整うと、副交感神経が本来の働きを取り戻し、消化や吸収の仕組みが正常化へと向かった。その結果、比較的短期間で「ご飯が食べられるようになった」という自覚が得られた。これは単なる気分的な改善ではなく、神経生理学的な回復が起きたことを意味する。

最終的に明らかになったのは、サブラクセーション(根本原因)によって上部頸椎と骨盤部に神経干渉が生じていたことである。成長期の女子にとって自律神経の安定は、身体的な発育や学業に向かう精神的安定の基盤となる。

今回の症例は「思春期だから仕方ない」と見過ごされがちな不定愁訴の背後に、サブラクセーションが潜んでいる可能性を示し、早期に対応することの重要性を改めて示した症例であった。
検査では異常なしと言われ続けた中学生の食欲不振
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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