検査では異常なしと言われたのに続く動悸に悩まされた日々

検査では異常なしと言われたのに続く動悸に悩まされた日々

動悸が落ち着き、安心して毎日を過ごせるようになりました!

40代男性
来院に至った経緯
学生時代はスポーツも楽しみ、大きな病気ひとつなく健康そのものだった。社会人になってからも、体の強さには自信があり、忙しくても多少のストレスや疲労は「仕事のうち」と割り切って乗り越えてきた。

営業職として日々顧客対応に追われ、責任ある立場につくようになってからはプレッシャーも増したが、「自分は大丈夫だ」と思い込み、深く気に留めることはなかった。

40代を迎えたある日、突然、胸がドクンドクンと激しく脈打つような感覚に襲われた。動悸は数分で治まったものの、そのときの「心臓が止まるのではないか」という恐怖感が頭から離れなかった。

その後も同じような発作が繰り返し起こるようになり、会議中や商談の最中、さらには電車に乗っているときなど、場面を選ばずに症状が現れた。

「もし外出先で倒れたらどうしよう」という不安から、外出や人前に出ることすら緊張するようになり、以前のように自信を持って行動できなくなっていった。

不安に駆られて病院で精密検査を受けたが、心電図や血液検査では異常が見つからず「ストレスや自律神経の乱れによるものでしょう」と説明を受けた。

薬を処方されたものの、症状は完全には消えず、服薬していても突然襲ってくる動悸に怯える日々は続いた。検査で「異常なし」と言われながらも実際にはつらい症状があることに、どうすれば良いのか分からない葛藤と苛立ちを感じていた。

動悸が出るようになってから整体院や鍼灸院に通ったが、一時的に体が楽になる程度で動悸の改善にはつながらなかった。

「このまま一生、この症状と付き合っていくしかないのかもしれない。」と思うと、仕事にも集中できず、休日も心からリラックスできなくなり、次第に睡眠の質も悪くなっていった。

将来の自分や家族のことについて考え込んでしまうせいか、寝入りに時間が掛かり、寝てもすぐに目が覚めてしまうという状態だった。

家族や同僚に心配をかけまいと口には出さなかったが、内心では常に「また動悸が来るのでは」という不安を抱え、余計に眠れなくなり、笑顔を作ることさえつらいと感じる日もあった。

何か良い方法はないかとインターネットで「自律神経と動悸の関係」を調べていたときに当院のホームページに辿り着いた。

「神経の働きを整えることで体本来の回復力を引き出す」という内容を読み進めるうちに、これまで抱えてきた不安や疑問が腑に落ちる感覚があった。

単なる一時しのぎではなく、根本から体を整えるアプローチこそ自分に必要なのではないかと感じ、「ここなら信頼できるかもしれない」という期待を抱いて来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    第一頸椎左横突起の強い浮腫

  • 03

    頸部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節に明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、上部頸椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また第一頸椎左横突起と左仙骨翼に強い浮腫が確認され、頸部胸鎖乳突筋と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルで重度の骨盤の傾きが確認された。首の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、平日は仕事の関係で来院が難しかったため、週末の週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、動悸の頻度はまだ残っていたものの、症状の強さは以前よりも和らぎ「心臓が止まってしまうのではないか」という強い不安感は少し軽減していた。夜間に突然目が覚めることも減り、眠りの質が改善し始めていた。

7週目(6回目のアジャストメント)には、日中の仕事中に感じていた動悸が明らかに減り、週の半分以上は落ち着いて過ごせるようになった。本人も「症状が出ない日がある」という体験を通じて安心感を得られ、以前のように仕事へ集中できる時間が増えてきた。

12週目(10回目のアジャストメント)には、外出先での不安感が軽減し、電車に乗っているときや人前で話しているときにも動悸を意識することがほとんどなくなった。これまでは「また来るのではないか」と常に頭の片隅にあった不安が薄らぎ、生活の自由度が戻ってきたと感じるようになった。この頃には睡眠への不安も、ほとんど気にならなくなった。

20週目(15回目のアジャストメント)には、動悸の症状は大きく改善され、仕事や日常生活での不安感はほぼ解消していた。家族にも「最近は顔つきが明るくなった」と言われるようになり、本人も「以前の自分に戻ってきた」と実感できるまでに回復していた。

現在は、動悸や不眠症という症状は落ち着いたが、「二度と同じような思いはしたくない」と身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の動悸は、左の迷走神経への負荷が主な原因であったと考えられる。検査所見では上部頸椎に強い反応が確認されており、この領域は迷走神経の走行と密接に関わっている。

迷走神経は副交感神経系の中でも特に重要な経路であり、心拍数の抑制や安定化に直接的な役割を果たす。

心臓に器質的な問題がないにもかかわらず動悸が生じる場合、多くは迷走神経が十分に機能できていない、あるいはその伝達が阻害されていることが背景にあると考えられる。

さらに骨盤部への負荷も確認された。骨盤部および上部頸椎はともに副交感神経の支配と関連する領域であり、これらに問題が生じると副交感神経の働きが抑制される。

副交感神経がうまく働かない状態では交感神経が相対的に優位となり、常に身体が過緊張の状態へと傾いてしまう。その結果、循環機能に異常な負担がかかり、心拍数が必要以上に上昇しやすくなり、動悸として自覚される。

今回のケースでは、不眠症状も併発していた点が特徴的である。交感神経が優位な状態では夜間になってもリラックスが得られず、入眠困難や中途覚醒が起こりやすい。さらに交感神経過剰は心拍変動を減少させるため、動悸や不安感を一層助長する。

つまり、動悸と不眠はともに自律神経のアンバランスが生み出した一連の症状であったと考えられる。

重要なのは、動悸を単に循環器系の問題として捉えるのではなく、自律神経全体の不調として評価する視点である。器質的疾患の除外はもちろん必要だが、検査で明らかな異常が認められない場合、自律神経の評価を怠ってしまうと根本的な解決には至らない。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれたことで、迷走神経をはじめとした自律神経のバランスが整い、動悸や不眠といった症状が改善に向かったと考えられる。

これは神経系の正常化が心身全体に及ぼす影響の大きさを示すものであり、症状を単発的にみるのではなく、その背景にある神経機能の異常を包括的に捉えることの重要性を再確認できた症例である。
検査では異常なしと言われたのに続く動悸に悩まされた日々
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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