日常生活にも支障をきたしたゴルフ肘による右肘の痛み

日常生活にも支障をきたしたゴルフ肘による右肘の痛み

日常生活だけではなく大好きなゴルフが再びプレーできるようになりました!

40代男性
来院に至った経緯
高校生からゴルフに打ち込み、大学では学生大会でそれなりの成績を残していた。社会人になってもゴルフを続けており、週末のラウンドは個人的なものでも接待ゴルフでも、日々のストレスを吹き飛ばすには十分だった。

ある日、ゴルフのスイングの最中に右肘の小指側に鋭い痛みが走った。それ以来、クラブを握るたびに強い違和感が残り、楽しみだったはずのゴルフが苦痛に変わっていった。休日はもちろん、仕事関係の接待でもゴルフを通じて取引先との信頼関係を築いてきただけに、「ゴルフができない」という状況は大きな不安と焦りを呼び起こした。

整形外科を受診すると「ゴルフ肘」と診断され、湿布や安静を指示された。しかし安静にしていれば痛みは和らぐものの、再びクラブを手にした瞬間に同じ痛みが再発した。特にスイングのフィニッシュでは肘が悲鳴を上げる感覚があり、思うようにプレーができない日々が続いた。

やがて痛みをかばいながらプレーを続けたことでフォームは崩れ、その不自然な動きの影響からぎっくり腰を発症した。踏んだり蹴ったりの状態となり、腰を痛めてからはゴルフそのものを断念せざるを得なかった。接待の場にも顔を出せず、趣味も失ったことで苛立ちと焦燥感が募り、家庭内でもついイライラをぶつけてしまうことが増えていった。

「このまま一生ゴルフを楽しめなくなるのではないか」という不安を抱き、整体院や鍼灸院にも何度も通った。しかし、その場しのぎの施術では根本的な改善は得られず、痛みは日常生活にも影を落とした。パソコン作業や書類にサインする動作でも肘に違和感が残り、「もう何をしても無駄なのか」と諦めに近い気持ちさえ芽生えていた。

そんなとき、YouTubeで塩川満章先生の施術動画を見る機会があった。数多くの患者が施術によって変化していく姿を目にし、「これまで自分が受けてきた治療とはまったく違う、本当に根本から体を変えていくものだ」と強い印象を受けた。しかし、塩川先生の新規予約はすでに停止されており、期待を抱いた矢先に落胆することとなった。

それでも諦めきれず調べていくうちに、塩川カイロプラクティックで副院長として数多くの症例を任されてきた実績を持つ当院院長が藤沢で開院していることを知った。「ここなら本気で任せられる」と確信し、最後の望みを託して当院に来院された。


【神奈川県大和市から来院】
初診の状態
  • 01

    下部頸椎の明らかな可動域制限

  • 02

    隆椎周辺の強い浮腫感

  • 03

    中部胸椎の可動域制限

経過と内容
初診時の状態では、下部頸椎・中部胸椎・左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査でも、下部頸椎・中部胸椎・左仙腸関節に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺と中部胸椎、左上後腸骨棘上端内縁に強い浮腫が確認され、脊柱起立筋は全体的には過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中5段階の慢性的なD5レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週3回のケアを提示したが、平日の夜は週一日空けるのがやっとだったため、平日と休日の週2回のケアから開始した。

3週目(5回目のアジャストメント)には、右肘の小指側に走る鋭い痛みは依然として残っていたが、日常動作の中での違和感が和らぎ始めた。パソコンでの入力作業や書類にサインをする際に感じていた鈍痛が軽減し、本人も「肘を意識する時間が減ってきた」と実感を語った。

7週目(14回目のアジャストメント)には、日常生活での痛みはさらに落ち着き、肘をかばう癖が薄れてきた。特に、車のドアを閉める動作や買い物袋を持つといった日常の何気ない動作で、以前は肘に強い負担がかかっていたが、それが軽減されるようになった。この頃から腰の張り感も減少し、体全体の動きに軽さが出てきた。この段階でケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

12週目(19回目のアジャストメント)には、ゴルフクラブを試しに軽く振る程度であれば痛みを感じにくくなった。これまで恐怖心から避けていた練習場に足を運ぶことができ、「短時間ならスイングできそうだ」という手応えを得る段階に至った。

16週目(23回目のアジャストメント)には、フルスイングでも痛みがほとんど出なくなり、再びコースに出られるまでに回復した。以前のように肘をかばう必要がなくなり、フォームも安定し、腰への負担も感じなくなった。趣味としてのゴルフだけでなく、仕事でのお付き合いのゴルフにも安心して参加できるようになったことは、本人にとって大きな喜びとなった。

現在は、右肘の痛みや腰の不調はほとんど落ち着いているが、再発防止と身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の右肘の痛み(ゴルフ肘)は、下部頸椎から右腕へと伸びる神経に負担がかかっていたことが主な原因であったと考えられる。

頸椎の可動域が制限されると、末梢に伸びる神経の働きは低下し、肘や前腕の筋群に過剰な緊張を生み出す。特に小指側に症状が出ていたことは、尺骨神経の影響を受けていたことを示唆しており、スイング時にグリップを握り込む動作で負担が集中していたと推測される。

ゴルフスイングは「肩甲骨 → 肩 → 肘 → 手首」と連動して行われるため、どこか一部に神経機能の低下や可動域制限が生じると、そのストレスは連鎖的に肘へと集中してしまう。

実際に本症例では中部胸椎の可動性が低下しており、肩甲骨の自由な動きが妨げられていた。その結果、スイング時の衝撃を分散できず、右肘に繰り返しの微細外傷が加わることで、慢性的な炎症と痛みが生じていたと解釈できる。

下部頸椎や中部胸椎に制限が掛かっていた背景には、土台である骨盤部の制限も軽視できない。人間の背骨は土台である骨盤の上に乗っているため、骨盤に可動域制限が生じれば、その影響は脊柱全体に波及する。

実際に本症例では左仙腸関節に長期的な制限が存在しており、補正作用として反対側が過剰に動いた結果、腰部に捻じれのストレスを与えていた。この連鎖が中部胸椎や下部頸椎の機能低下を招き、最終的に右肘の痛みを助長していた可能性も十分に考えられる。

アジャストメントによって下部頸椎・中部胸椎・仙腸関節に存在していたサブラクセーション(根本原因)が取り除かれると、神経伝達は正常化され、肘や腰への負担が解放された。その結果、右肘のゴルフ肘の痛みは改善し、腰痛の再発防止にもつながった。

今回の症例は、一見「肘の局所的な障害」と思われる症状であっても、その背後には骨盤を含めた全身の神経機能と構造の連動性が深く関与していることを示すものである。神経の流れを整え、体の情報を脳に正しく届けることの重要性を、あらためて浮き彫りにした症例であった。
日常生活にも支障をきたしたゴルフ肘による右肘の痛み
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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