平熱35度台が続き一年中冷えに悩まされた全身の冷え性

平熱35度台が続き一年中冷えに悩まされた全身の冷え性

体温が安定し、冷えを気にせず生活できるようになりました!

30代女性
来院に至った経緯
昔から体温が低く、平熱は35度台前半が当たり前だった。子供の頃から冬はもちろん夏でも「体が冷えている」と感じることが多く、風邪をひきやすい体質でもあった。

体育の授業や部活動の後には友人が汗をかいている中、自分だけは手足が冷たく、体が温まらないことが不思議で仕方なかった。

30代に入る頃からは冷えが全身に及ぶようになり、日常生活に支障をきたすほどとなった。朝は布団から出るのがつらく、出勤しても体が温まらずにだるさが続いた。

夏場に職場で冷房が入ると、手足どころかお腹や背中まで冷え切ってしまい、体の芯から凍えるような感覚に襲われた。冬は当然のように厚着を重ねても寒さが抜けず、一年中「冷えに支配されている」という状態だった。

体を温めようと、これまでにさまざまな工夫をしてきた。祖母から「生姜湯を飲むと体が温まるよ」と勧められて続けてみたり、冷え性に良いとされる養命酒を購入して毎晩飲んでみたりした。

さらに半身浴やホットヨガ、温かい飲み物を常に持ち歩くなど、できる限りのことを試した。しかしどれもほとんど効果がなく、少し油断すればすぐに体全体が冷え込み、倦怠感や頭の重さが戻ってきてしまった。

冷えの影響は女性特有の症状にも及んでいた。生理痛が年々強くなり、鎮痛剤が手放せないほどで、仕事を休まざるを得ないこともあった。外出や友人との約束を断ることも増え、以前は楽しんでいた趣味や旅行も「体調が崩れるのでは」という不安から控えるようになってしまった。

会社でも「寒がりだね」とからかわれることが増え、自分の体質への不安と孤独感は深まっていった。「このまま一生、体の冷えと付き合っていくしかないのか」と半ば諦めに近い気持ちを抱くようになっていた。

そんなとき、同じように冷え性で悩んでいた友人から「カイロプラクティックに通ってから、体の芯から温まるようになった」と当院を勧められた。

薬やセルフケアでは限界を感じていたこともあり、これまでの努力が報われなかった悔しさと、少しでも体質を変えたいという切実な思いが背中を押した。

「本当に変われるのだろうか」という半信半疑の気持ちはあったが、体の冷えが改善するなら通ってみようと思い、当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    下部頸椎の明らかな可動域制限

  • 02

    隆椎周辺の強い浮腫感

  • 03

    上部腰椎の明らかな可動域制限

経過と内容
初診時の状態では、下部頸椎と上部腰椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査でも、下部頸椎と上部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺と上部腰椎に強い浮腫が確認され、頸部全体と腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認された。首の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、平日は仕事で時間を作るのが難しいとのことだったので、無理のない範囲で週末の週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、朝の布団から出るときの強いだるさがやや軽減し、起き上がるまでにかかる時間が短くなった。本人は「手足はまだ冷たいけれど、体の芯が少し楽になった感じがする」と表現していた。

6週目(5回目のアジャストメント)には、冷房の効いた職場でも以前ほど強い寒気を感じにくくなり、カーディガンを重ね着しなくても一日過ごせる日が出てきた。また、風邪を引きそうな喉の違和感が出ても長引かず、体調を崩さずに週を乗り切れるようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

12週目(8回目のアジャストメント)には、生理痛の強さが明らかに軽減し、鎮痛剤の使用量が減った。体温を測るとこれまで常に35度台前半だったのが、36度近くまで上がる日が増え、本人は「初めて普通の体温に近づいている」と実感を口にした。

22週目(13回目のアジャストメント)には、全身の冷え込みはかなり和らぎ、冬の朝でも布団から起き上がるのが苦痛ではなくなった。趣味のホットヨガにも以前より集中できるようになり、汗をかく感覚が戻ってきたことに驚きを感じていた。

現在は、冷え性もほとんど気にならなくなり体温も36台を維持できているが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の全身性の冷え性は、交感神経の問題が大きく関与していたと考えられる。冷え性は単に血流が悪いと片付けられがちだが、実際には自律神経の乱れによって体温調節機能そのものが阻害されているケースが多い。

本症例では、下部頸椎と上部腰椎に明らかな機能低下がみられ、どちらも交感神経支配の領域であることから、長期にわたり自律神経のバランスが崩れていたことが推測される。

下部頸椎は代謝を司る甲状腺と密接に関係している。甲状腺ホルモンは基礎代謝を調整し、体温を一定に保つために欠かせないが、下部頸椎の神経機能が低下すれば甲状腺の働きは十分に発揮されない。その結果として基礎代謝は落ち込み、平熱が35度台に低下するような慢性的な低体温状態が生じていたと考えられる。

また上部腰椎は卵巣と関わりが深い。卵巣は女性ホルモンの分泌を通じて体温調節や子宮内環境の維持に影響を与えるが、上部腰椎に神経的な問題が存在すれば卵巣機能は乱され、生理痛や月経不順を引き起こす要因となる。本症例で生理痛の悪化が見られたのも、上部腰椎の神経機能低下が卵巣の働きに影響を及ぼしていたためだと考えられる。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ下部頸椎と上部腰椎の神経機能が回復すると、甲状腺や卵巣を含む内分泌系の働きが安定し、自律神経のバランスが整った。

体温は36度近くまで上昇し、冷え性が改善されただけでなく、生理痛の軽減や風邪をひきにくくなるといった全身的な変化が確認された。

本症例は、冷え性を単なる体質の問題として放置するのではなく、交感神経支配領域である下部頸椎と上部腰椎の機能低下を正しく評価し改善することで、神経と臓器の働きを回復させられることを示す臨床的に重要なケースであった。
平熱35度台が続き一年中冷えに悩まされた全身の冷え性
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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