乾いた咳が止まらず、夜になると咳き込んで眠れない気管支喘息

乾いた咳が止まらず、夜になると咳き込んで眠れない気管支喘息

夜中の咳が消えて、朝までぐっすり眠れるようになりました!

30代女性
来院に至った経緯
半年ほど前から、突然乾いた咳が止まらなくなった。最初は「風邪でもひいたのかな」と軽く考えていたが、熱も喉の痛みもなく、咳だけが何週間も続いた。

特に夜になると空咳がひどくなり、寝入りばなに咳き込みが始まると止まらなくなってしまう。眠っていても突然咳き込んで目が覚めることがあり、胸の奥がヒューヒューと鳴るような違和感を覚えるようになった。

2〜3年前にも似たような症状があり、そのとき病院で「気管支喘息」と診断された。吸入薬と気管支拡張剤で一時的に落ち着いたが、今回は薬を使っても思うような改善が見られなかった。乾いた咳は一向に収まらず、まるで喉の奥に何か引っかかっているような感覚が続いた。

日中も突然咳が込み上げ、電話対応中や会議の最中に咳き込むことが増えた。周囲の目が気になり、「また咳が出たらどうしよう」と思うたびに余計に喉が締めつけられるような感覚に襲われる。外出先でも咳が出るのではないかと不安になり、マスクをしていても人の視線を感じて息苦しくなる。次第に、人前で話すこと自体が怖くなっていった。

仕事は事務職で、冷暖房の効いたオフィスで一日中パソコンに向かう生活。空気の乾燥が強いときには咳がさらに悪化して空咳が止まらなくなることが多かったため、自分のデスクに小さな加湿器を置いて対応していた。

深呼吸をしようとしても胸の奥が硬い感覚があり、思うように息が吸えない。夜は横になると咳が強くなり、寝ついても何度も咳で起きてしまう。朝は喉の奥がカラカラに乾き、胸の奥に熱を持ったような違和感が残った。

「薬を飲んでいるのにどうして良くならないのか」「また前のように咳が止まらなくなるのではないか」という不安が募り、精神的にも追い詰められていった。寝不足が続くうちに体力が落ち、朝から体が重く、息苦しさと倦怠感が常に付きまとっていた。

そんなとき、小学生のころからの幼馴染の友人のお母さんから、「ここに行けば何でも良くなるから行ってみて」と当院を紹介された。そのお母さんは昔から明るく良い人だったが、少し強引な性格で、子どものころから「この人に言われたら断れない」と思っていた。

今回も、「カイロプラクティックで喘息が良くなるわけないじゃん」と半信半疑だったが、心のどこかで「このまま薬を飲み続けても変わらないのでは」という思いもあった。「きっとそのうち『もう行ってみた?』と聞かれるに違いない」と分かっていたこともあり、重い腰を上げて一度行ってみようと決意し、当院に来院された。


【神奈川県横浜市戸塚区から来院】
初診の状態
  • 01

    上部胸椎の明らかな可動域制限

  • 02

    隆椎周辺にスポンジ状の浮腫

  • 03

    頸部全体の過緊張と熱感(炎症)

経過と内容
初診時の状態では、上部胸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査でも、上部胸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また隆椎周辺にスポンジ状強い浮腫が確認され、頸部は全体的には過緊張の状態で熱感(炎症)があった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中2段階のD2レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアが必要な状態であったが、平日は仕事で都内に出ており通院が難しいとのことで、無理のない範囲で週末の週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、夜間の咳き込みが少し減り、「以前のように寝入りばなに咳で止まらなくなることが減った」と話していた。朝起きたときの喉の乾きも和らぎ、息を吸い込むときの胸の締めつけ感がやや軽くなっていた。頸部の熱感が少し落ち着き、呼吸のリズムが安定し始めていた。

5週目(5回目のアジャストメント)には、夜中に咳で目が覚めることがなくなり、「深呼吸がしやすくなってきた」と話していた。胸の奥にあったヒューヒューという違和感も減り、仕事中に咳き込む回数も明らかに減っていた。頸部・胸部の緊張が取れてくると同時に、体全体の血流が改善し、朝の倦怠感が軽減していた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

9週目(7回目のアジャストメント)には、空咳はほとんど出なくなり、「夜にぐっすり眠れるようになった」と笑顔で話していた。睡眠の質が向上したことで日中の集中力も戻り、職場でも「最近顔色が良くなったね」と声をかけられることが増えていた。

12週目(10回目のアジャストメント)には、気管支の違和感や息苦しさも感じなくなり、以前のように呼吸を意識せずに生活できるようになった。呼吸時の胸郭の広がりもスムーズになり、声を出すときの息切れも改善していた。

現在は、呼吸の状態は安定しており、気管支喘息が原因と思われるような症状は落ち着いている。発作的な咳や喉の違和感はまったく見られないが、再発防止と健康維持のために定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の気管支喘息は、交感神経の機能低下によって体内の化学的バランスが乱れ、呼吸機能に異常反応が生じていたことが主な原因であったと考えられる。

交感神経は、体の代謝・循環・排出のリズムを司り、特に呼吸機能の調整においては気管支の拡張と炎症の抑制を担っている。ところが、この働きが低下すると、体内での化学的代謝が滞り、酸化還元のバランスが崩れてしまう。

その結果、体は内部に蓄積した化学物質や老廃物を排出しようとし、乾いた咳という形で“排毒反応”を起こす。つまり、この症例に見られた空咳は、呼吸器系そのものの異常というよりも、交感神経機能の低下による化学的バランスの乱れを正そうとする生理的な反応であったと考えられる。

また、上部胸椎に顕著な浮腫や左右の温度差が認められた。この領域には、肺・気管支・心臓などを支配する交感神経節が存在しており、わずかな負荷でも神経伝達に影響を及ぼす。呼吸に伴う神経反射が鈍化することで、交感神経機能の低下をさらに助長していたと考えられる。

加えて、冷暖房の効いた乾燥した環境で長時間デスクワークを続ける生活習慣は、呼吸筋群や肋間筋の緊張を慢性化させ、胸郭の拡張を制限していた。これにより深い呼吸が行えず、体内に十分な酸素が取り込めない状態が続くと、細胞レベルでの酸化ストレスが高まり、さらに化学的アンバランスを強める。このような負の循環が続いた結果、夜間の空咳や息苦しさといった症状が慢性化していたと推察される。

アジャストメントによって上部胸椎のサブラクセーション(根本原因)が取り除かれると、交感神経の機能が回復し、体内の化学的バランスが整った。これにより肺や気管支の神経支配が正常化し、体が自然な代謝・排出リズムを取り戻した結果、過剰な咳反射は消失したと考えられる。

この症例は、成人に多く見られる「乾いた咳(空咳)」を伴う気管支喘息が、単なる呼吸器疾患ではなく、自律神経系の機能低下と化学的恒常性の乱れによって引き起こされる全身的な問題であることを示している。神経の正常な働きが回復することで、薬に頼らずとも呼吸機能が整い、体内環境の再生が可能であることを裏づける重要な症例であった。
乾いた咳が止まらず、夜になると咳き込んで眠れない気管支喘息
乾いた咳が止まらず、夜になると咳き込んで眠れない気管支喘息 乾いた咳が止まらず、夜になると咳き込んで眠れない気管支喘息 乾いた咳が止まらず、夜になると咳き込んで眠れない気管支喘息

ご予約・お問合せはお電話またはLINEから

お電話での予約
TEL:0466-21-9624
LINEでの予約
QRコードを読み取り、トーク画面から「予約希望」とご連絡ください。
前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

症例一覧へ戻る
pagetop