テレワークで悪化した慢性腰痛と生理痛が重なり、仕事に集中できなくなった

テレワークで悪化した慢性腰痛と生理痛が重なり、仕事に集中できなくなった

どこに行っても改善しなかった腰痛が軽くなり、生理痛まで和らぎました!

30代女性
来院に至った経緯
30代に入ってから腰痛を感じることが増えてきたが、特にコロナ禍でのテレワークが始まってから症状は急に悪化した。

以前は通勤や外回りなどで自然と体を動かす時間があったものの、自宅での仕事に切り替わってからは一日中パソコンの前に座りっぱなしの生活が続き、気づけば歩く距離が極端に減っていた。体を動かさないことで血流の滞りや筋肉のこわばりが進み、腰の奥に重だるい感覚を覚えるようになった。

最初のうちは「ずっと座っているから仕方ない」「少しストレッチすれば治る」と軽く考えていたが、痛みは次第に強くなり、短時間座っているだけでも腰が重く、仕事に集中できないほどになった。夕方には腰を支えられないほどのだるさを感じ、イスから立ち上がる際に「ピキッ」と電気が走るような鋭い痛みが出ることも増えていった。

さらに、腰痛が酷くなる時期と月経周期が重なることが多くなり、以前よりも生理痛が強くなる傾向がみられた。もともと学生の頃から生理痛はあったが、ここまで下腹部を締めつけるような痛みや腰の重だるさを感じることはなかった。鎮痛剤を服用しても効かない日もあり、腰から下腹部にかけての鈍痛と倦怠感で仕事に支障をきたすようになった。

なんとかしようと整体やマッサージにも通ってみたが、施術を受けた当日は腰が軽くなる感覚があっても、翌朝には再び痛みが戻ってしまった。特に生理前後の腰痛は改善がみられず、「根本的な原因が残っているのではないか」と感じるようになった。

「運動不足が原因かもしれない」と思い、ウォーキングを始めてみたものの、少し歩いただけで腰がズキズキと痛み出し、途中でしゃがみこみたくなることもあった。痛みが出るたびに「また悪化したらどうしよう」という不安が募り、外に出るのさえ怖くなってしまった。次第に運動習慣も途絶え、気づけば日常生活そのものが制限されていた。

「このままでは仕事も続けられなくなるのでは」と不安を感じ、インターネットで腰痛について調べていたところ、当院のホームページにたどり着いた。「レントゲンを撮って根本原因にアプローチする」という説明にこれまでの整体とは違う印象を受け、「もしかしたらここなら本当に良くなるかもしれない」と希望を感じた。

さらに、Googleの口コミでも「腰痛が改善した」「生理痛が軽くなった」といった声が多く寄せられていたことが決め手となり、「ここでダメなら諦めよう」との思いで当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左上後腸骨棘上端内縁にくぼんだ浮腫

  • 03

    腰部起立筋の過緊張と熱感(炎症)

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左上後腸骨棘上端内縁に強い浮腫が確認され、腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

さまざまな検査所見に加え、患部が熱を持っているような炎症状態だったため、初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

2週目(3回目のアジャストメント)には、座位時の鈍痛が軽減し、「仕事中に腰をかばわなくなった」と話していた。朝のこわばりもやや緩和し、立ち上がり動作の恐怖感が減少していた。この段階で腰の炎症も落ち着いたため、ケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

5週目(6回目のアジャストメント)には、長時間座っていても痛みの出るまでの時間が延び、「2時間くらいは姿勢を保てるようになった」との報告があった。

7週目(8回目のアジャストメント)には、生理痛が明らかに軽くなり、「以前のように薬を飲まなくても過ごせるようになった」と笑顔で話していた。腰部の動きに柔軟性が出始め、骨盤の可動性も安定していた。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

11週目(10回目のアジャストメント)には、腰痛はほとんど感じられず、仕事中も違和感なく長時間のデスクワークが可能になった。姿勢の安定性が増し、体幹のバランスが整ったことで下腹部の張り感も解消。本人も「座っていても、歩いていても、以前のような腰痛は感じなくなった」と話していた。

現在は、腰痛は完全に解消し、生理痛もほとんど感じなくなったが、再発防止と身体のメンテナンスのために定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の腰痛は、左仙腸関節の機能低下により骨盤全体のバランスが崩れ、腰椎や骨盤内臓器にまで機能的な影響を及ぼしていたと考えられる。

仙腸関節は上半身の荷重を支える要となる関節であり、ここに動きの制限が生じると骨盤の左右バランスが乱れ、腰椎の配列や筋緊張に過剰な偏りが生じる。本症例では、左仙腸関節の可動域制限によって左腸骨が後方下方外転変位し、腰椎の生理的前弯が過剰に強調された結果、腰部起立筋の防御的緊張が持続していた。

仙腸関節の機能低下は単なる構造的問題にとどまらず、骨盤神経叢を介して自律神経系にも影響を及ぼす。特に仙骨には副交感神経の支配領域が存在し、この部分の神経機能が低下すると骨盤内臓器の働きにも変調が生じる。

本症例では腰痛と同時に生理痛の悪化がみられたが、これは仙骨部の神経伝達障害により子宮周囲の血流が低下していたことが関係していたと考えられる。血流の停滞は子宮筋層の収縮を過剰にし、痛みの閾値を下げることで強い生理痛を誘発する要因となっていた。

また、テレワークによる長時間の座位姿勢は骨盤への静的圧迫を持続させ、仙腸関節の可動制限をさらに悪化させる原因となっていた。特にデスクワークでは骨盤が後傾しやすく、仙骨が固定されることで関節包や靭帯への微細なストレスが蓄積する。これが慢性的な炎症反応と神経過敏状態を引き起こし、腰部の鈍痛や下腹部の違和感として現れていたと考えられる。

加えて、卵巣と関係の深い上部腰椎への二次的負荷も生理痛を助長させていた可能性がある。今回のケースでは、骨盤部の機能低下によって生じた補正作用が上部腰椎に伝わり、この部位の神経機能にもストレスが加わっていたと考えられる。上部腰椎は卵巣を支配する神経と連動しているため、この部位の負担は骨盤内臓器の血流や神経調整に影響しやすい。

さらに、生理痛の背景には女性ホルモンの周期的変動が密接に関係している。生理周期では“エストロゲン”と“プロゲステロン”という二つの女性ホルモンが働き、子宮内膜を厚くして妊娠に備える。しかし妊娠に至らなかった場合、これらのホルモン分泌が低下し、それに伴って“プロスタグランジン”と呼ばれる物質が分泌される。

プロスタグランジンは、剥がれ落ちた子宮内膜を体外に排出するために子宮を収縮させるが、その分泌が過剰になると過度な収縮を引き起こし、下腹部痛や腰痛といった生理痛の原因となる。さらに、この物質には痛みを増強させる作用があるため、生理期に頭痛や腰痛が強くなるのもこの影響によるものと考えられる。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、左仙腸関節の神経機能が回復したことで、骨盤の左右バランスが整い、腰椎への二次的負担が軽減された。これにより腰部の筋緊張が緩和し、循環改善によって炎症が沈静化した。また、仙骨部の神経機能が回復することで副交感神経の働きが正常化し、骨盤内臓器への血流が改善した結果、生理痛の軽減にもつながったと考えられる。

本症例は、テレワークや長時間座位といった生活習慣によって生じる腰痛が、単なる筋疲労ではなく、仙腸関節および自律神経機能の異常に起因していることを示す臨床例である。カイロプラクティックによる神経機能の回復は、腰痛だけでなく、月経痛や下腹部の不快感など、骨盤内の循環・神経機能に関連する症状の改善にも有効であることを示した重要な症例であった。
テレワークで悪化した慢性腰痛と生理痛が重なり、仕事に集中できなくなった
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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