どれだけ眠っても抜けない慢性疲労に悩まされ続けた日々

どれだけ眠っても抜けない慢性疲労に悩まされ続けた日々

休んでも疲れが抜けなかった体が、日中の活力を取り戻しました!

50代男性
来院に至った経緯
建設会社に勤めて30年以上。若い頃は現場に足を運ぶことも多かったが、40代後半からは管理職となり、デスクワーク中心の生活に変わった。パソコンに向かっての資料作成、打ち合わせ、電話対応。体を動かすことよりも、頭と神経を使う時間が圧倒的に増えた。

以前は少々の残業でも翌朝にはケロッと動けたが、ここ数年は、どれだけ眠っても疲れが抜けない。朝起きても体が重く、目覚めた瞬間から再び布団に戻りたい気分になる。休日は予定を入れる気力がわかず、横になってテレビを見ているうちに一日が終わってしまう。

最初は「年齢のせい」と思い、鍼灸院やマッサージ、整体にも通った。施術を受けた直後は楽になるものの、数日もすれば再び体が鉛のように重くなる。栄養ドリンクやビタミン剤、睡眠サプリなども試したが、どれも一時しのぎに過ぎず、慢性的に疲労が蓄積していった。。

それでも仕事を休むわけにはいかない。現場と本社の板挟みで神経をすり減らす日々が続き、いつしか笑うことが少なくなった。家族からも「最近顔色が悪い」「前より口数が減った」と言われ、自分でも気づかぬうちに疲労が心の奥にまで入り込んでいた。

内科で血液検査を受けても「異常なし」。医師からは「自律神経のバランスが崩れているのかもしれませんね」と言われたが、薬を飲むほどの病気ではないという。原因が分からないまま疲労だけが積み重なり、「このまま年齢とともに衰えていくのだろうか」という不安を抱えながら過ごしていた。

体に異常がないなら心の病気かもしれないと思い、心療内科にも行ってみたが「疲労が溜まっているだけですね。」と言われた。その疲労がぬけなくて困っていると伝えても、「年齢なりですよ。」と言われるだけだった。

そんな折、ゴルフ仲間から「そんなに疲労がぬけないならここに行ってみな」と当院を紹介された。デスクワークになってから多少の腰痛は、「自分は疲労が溜まっているだけで、どこも痛くない」と伝えると、「いいから一度行ってみな」と強く勧められた。

信頼しているゴルフ仲間が、ここまで強く紹介してくれるなら何かあるのだろうと期待されて当院に来院された。


【神奈川県相模原市から来院】
初診の状態
  • 01

    下部腰椎の明らかな可動域制限

  • 02

    腰部から背部にかけて起立筋の過緊張

  • 03

    隆椎周辺の強い浮腫感

経過と内容
初診時の状態では、下部腰椎・下部胸椎・下部頸椎には明らかな可動域制限があった。体表温度検査でも、下部腰椎・下部胸椎・下部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また下部腰椎と隆椎周辺に強い浮腫が確認され、腰部から背部にかけて脊柱起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルが確認された。首の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、平日は残業も多く時間の調整が難しいとのことで、無理のない範囲で週末の週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、体の重だるさは依然としてあったものの、夜中に目が覚める回数が減り、朝の目覚めが少し楽になったと話していた。長時間のデスクワーク後に感じていた頭の重さや目の疲れも軽減し、仕事終わりの倦怠感がわずかに軽くなった。

5週目(5回目のアジャストメント)には、睡眠の質が明らかに向上し、休日に一日中横になって過ごすことが減った。本人も「朝の目覚めがスッとする」と話し、内面的な変化を自覚するようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

11週目(8回目のアジャストメント)には、体の芯に残っていた重だるさが取れ、仕事中の集中力が続くようになった。以前は午後になると必ず出ていた強い眠気がなくなり、「一日を通して頭が冴えている」と話していた。表情にも明るさが戻り、同僚から「最近元気になったね」と声をかけられるようになったという。

19週目(12回目のアジャストメント)には、体の疲れだけでなく精神的な余裕も出てきた。以前は仕事後にまっすぐ帰宅していたが、趣味の釣りやゴルフにも積極的に行けるようになった。

現在は、慢性的な疲労感はほとんど解消し、疲れているなと思っても一晩眠れば回復するようになった。今後も「疲れをためないための体づくり」を目標として、定期的なカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回の慢性疲労は、副交感神経の過剰な優位状態によって、日中に本来働くべき交感神経が十分に機能していなかったことが主な要因であったと考えられる。

一般的に疲労というと「働きすぎによる交感神経の過緊張だけ」と誤解されがちだが、実際にはその反対に、交感神経の反応が鈍くなることで体が常に“省エネモード”に入ってしまうタイプの慢性疲労が存在する。本症例はまさにその典型である。

若い頃は現場に出て体を動かす生活であったが、管理職となってからは一日の大半を座って過ごすようになり、身体的な刺激が極端に減った。体を動かさない時間が長くなると、交感神経が十分に活性化されず、体が常に「休息モード」に傾く。これにより血流や代謝の働きが低下し、昼間でも頭が冴えず、常に体が重いという感覚が生まれる。

検査では、下部腰椎・下部胸椎・下部頸椎に強い反応が確認された。これらの部位はいずれも交感神経の活動を支配する領域であり、特に胸椎の中部から下部にかけては副腎や腎臓、消化器などの活動と密接に関わっている。これらの神経の働きが低下すると、血流が滞り、酸素供給や老廃物の代謝が遅れ、エネルギーが十分に循環しなくなる。その結果、休んでも回復しない「だるさ」や「重さ」が慢性的に続いていたと考えられる。

アジャストメントによって下部腰椎および下部胸椎のサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ神経の流れが回復すると、交感神経の働きが徐々に高まり、体が日中にしっかりと“活動モード”へ移行できるようになった。結果として、血流が改善し、細胞レベルでのエネルギー代謝が活性化したことで、睡眠後の回復感が得られるようになった。

また、下部頸椎の調整によって代謝を司る甲状腺への神経伝達が整い、体に毒素が蓄積しにくい体質へと変化していった結果、日中の集中力や意欲が回復しただけでなく、夜間の睡眠も深く安定するようになったと考えられる。

本症例は、慢性疲労を「頑張りすぎ」や「加齢」のせいにするのではなく、“働くべき時に交感神経が働かない”という神経生理学的な機能低下として捉える重要性を示している。カイロプラクティックケアによって神経伝達を回復させ、体を本来のリズムへ戻すことが、慢性的な疲労状態から脱するための根本的な鍵となることを証明した症例であった。
どれだけ眠っても抜けない慢性疲労に悩まされ続けた日々
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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