長年続く生理不順と将来の妊娠への不安感

長年続く生理不順と将来の妊娠への不安感

初潮から安定しなかった生理周期が整い、薬に頼らず自然なリズムを取り戻しました!

20代女性
来院に至った経緯
初潮を迎えてからずっと、生理周期が安定したことは一度もなかった。2~3か月に一度しか来ないこともあれば、わずか2週間で次の生理が来てしまうこともあった。高校生のときには半年もの間、生理が止まったこともあったが、周りに相談することもなく、「自分はそういう体質なんだ」と思い込んで過ごしてきた。

大学に進学してからも状況は変わらず、アルバイトや勉強に追われる中で「不便だけど命に関わることではない」と自分を納得させていた。しかし20代に入り、友人たちが「結婚を考えている」「将来は子どもが欲しい」と話すようになると、自分の体のことが急に不安になった。「このままでは妊娠しにくいのではないか」「将来、子どもを望んでも難しいのではないか」という恐怖が頭をよぎるようになった。

婦人科を受診すると「ホルモンバランスの乱れですね。低用量ピルでコントロールしましょう」と説明され、薬を処方された。服用している間は規則正しく出血が起こり、あたかも生理周期が整ったように見えた。しかし薬をやめるとすぐに元の不規則な状態に戻り、「これは本当に私の体が整ったわけではなく、ただ薬で作られた偽物のリズムなのではないか」と疑問が強くなった。

さらに、周期が乱れるだけでなく、体のだるさや集中力の低下、肌荒れ、イライラなどの不調が重なり、仕事や日常生活にまで影響が出始めた。朝は布団から起き上がるのも辛く、会議中に集中できない自分に苛立ち、周囲に迷惑をかけているのではないかと自己嫌悪に陥ることもあった。

インターネットで「生理不順 改善」と検索しても、「低用量ピル以外に有効な方法はない」といった情報ばかりが目につき、薬を一生飲み続ける未来を想像してはため息をついていた。友人には「ピルを飲めば大丈夫」と軽く言われたが、その言葉が余計に自分の不安を大きくしていった。

そんなある日、YouTubeで偶然、塩川満章先生の動画に出会った。薬ではなく体の根本を整えることで不調を改善していく考え方や、同じように悩んでいた人が変化していく様子を目にし、「こんな方法もあるんだ」と衝撃を受けた。

動画を見終わったときには、「自分ももしかしたら変われるかもしれない」という希望が芽生えていた。調べてみると、塩川先生の弟子が藤沢駅前で開院していることを知った。

「ここなら安心して相談できるかもしれない」、「このまま薬に頼り続けても未来は変わらない」と思い、最後の望みを託すような気持ちで当院に来院された。


【神奈川県横浜市戸塚区から来院】
初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    右仙骨翼にスポンジ状の浮腫

  • 03

    頸部胸鎖乳突筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、右の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙骨翼と第一頸椎右横突起に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と頚部胸鎖乳突筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックを通り越してスワンネック(逆カーブ)となっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の関係で週1回のケアから開始した。

6週目(6回目のアジャストメント)には、ケアを受け始めて2週間後に生理が来て、その次は30日後に再び生理が訪れた。正常周期といわれる期間内に生理が来たのは久しぶりのことで、体の変化に本人も驚きを隠せなかった。

11週目(11回目のアジャストメント)には、前回の生理からちょうど1か月後にしっかりと生理が来た。周期が整い始めたことで、「本当に体が変わってきている」と実感するようになった。この段階でケアのペースを2週間に一度に広げることができた。

16週目(13回目のアジャストメント)には、再び前回の生理から1か月後に生理が訪れた。これまで2〜3か月に一度しか来なかったり、逆に2週間で来てしまったりしていたことを考えると、ケアを受けてから生理周期が1か月に一度来るようになったことに大きな驚きと喜びを感じていた。

24週目(17回目のアジャストメント)には、生理周期が安定するだけでなく、生理前の強い倦怠感や情緒不安定も軽減し、日常生活を支障なく送れるようになった。

現在は、生理不順が改善しただけでなく体調全体も安定しているが、健康な身体を維持したいという思いから、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の生理不順は、自律神経のバランスの乱れからホルモン分泌異常が根底にあったと考えられる。

生理周期は「脳視床下部―脳下垂体―卵巣軸(HPO軸)」と呼ばれるホルモン系によってコントロールされている。視床下部がゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)を分泌し、それを受けて下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)が分泌される。

卵巣からはエストロゲンやプロゲステロンが分泌され、子宮内膜の増殖と排卵・月経を繰り返す。この精密なリズムは、脳と卵巣の間で常にフィードバック調整されている。

このシステムはストレスや環境変化に敏感である。視床下部は自律神経の中枢とも密接に関わっており、強い精神的ストレス、睡眠不足、不規則な生活習慣は視床下部の機能を乱す。

結果としてGnRHの分泌が不安定になり、排卵が起こらない「無排卵周期」や、生理周期が長く空いたり短く詰まったりする「生理不順」が生じやすくなる。

検査では骨盤部と上部頸椎に強い反応が確認された。これらはどちらも副交感神経支配の領域となる。偏った神経系に負担が掛かったことで自律神経のバランスを乱し、交感神経が過剰になっていたと考えられる。

交感神経が過剰になると、体は強い緊張状態となり、常にストレスにさらされ続けるような状態となる。また、幼少期から末端冷え性もあったが、末端冷え性は交感神経が過剰になっている人の特徴でもある。

交感神経の作用として末梢の血管を閉じる働きがある。これ自体は交感神経に普通の作用だが、その状態が長期間続くことで末梢の血管が閉じたままとなり、その結果として血流異常起こり末端冷え性を発症してしまう。

本症例では、初潮の頃から生理周期が安定しなかったということに加え、幼少期から末端冷え性の既往があり、長年にわたって自律神経とホルモン分泌のバランスが不安定になっていた可能性が高い。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれたことで、自律神経のバランスが回復して各ホルモン分泌器官と脳が情報のやり取りができるようなった結果、ホルモン分泌も正常に行われるようになり生理不順が改善されたと考えられる。

どのような症状であったとしても、症状だけに囚われるのではなく、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることこそが重要だと、再認識させられる症例であった。
長年続く生理不順と将来の妊娠への不安感
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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