鉄欠乏性貧血と月経過多に悩まされ、毎月の生理が怖くなった

鉄欠乏性貧血と月経過多に悩まされ、毎月の生理が怖くなった

貧血症状が改善されて家事も仕事も精力的に動けるようになりました!

40代女性
来院に至った経緯
40代に入った頃から、慢性的な疲れや立ちくらみを感じるようになった。特に午後になると体が重く、集中力が続かない状態が増えていた。

パソコンに向かう時間が長く、肩や首が常に張っているような感覚があり、深呼吸をしても息が吸い切れないような息苦しさを感じることもあった。仕事は一日中デスクワークで、昼食を軽く済ませることが多く、忙しい日は夕食を抜いてしまうこともあった。

最初のうちは「年齢のせいかな」「寝不足だからだろう」と軽く考えていたが、朝起きても疲れが抜けず、顔色が悪いと言われることが増えていった。階段を上るだけで動悸がして息切れし、会議中に立ち上がると視界が一瞬白くなることもあった。体調の波が激しく、気づけばどんなに寝ても疲労が取れない状態が続いていた。

ある日、あまりの倦怠感に不安を覚え、病院で検査を受けたところ、血中ヘモグロビン値が基準値を大きく下回っており、「鉄欠乏性貧血」と診断された。医師から鉄剤を処方されて服用を続けたが、胃の不快感や強い吐き気があり、数日で服用をやめてしまった。薬をやめると少し胃の不快感は落ち着いたが、体調は改善せず、冷え性や頭痛、肩こりなどの症状が次第に強くなっていった。

毎月の生理の量も年々多くなっていることから出血が怖くなることもあり、翌日には強いふらつきや倦怠感に襲われ、朝起き上がることすらつらく感じる日もあった。月経前から手足の冷えやむくみが強くなり、顔色は青白く、気分の浮き沈みも激しくなっていた。「このまま毎月の生理を迎えるのが怖い」と感じるほどに、身体と心の両方が限界に近づいていた。

病院では「鉄分をしっかり摂るように」と指導を受け、レバーやほうれん草を意識的に摂るよう心がけた。しかし、食事を工夫しても根本的な改善は見られず、「なぜこんなに体がだるいのか」「このまま仕事を続けられるのか」と不安が募っていった。体を温めても冷えが取れず、夜になると全身の力が抜けるような脱力感に襲われることもあり、まるで体のエネルギーが枯れてしまったような感覚だった。

そんなとき、同じ職場の同僚が「前に体調不良で悩んでいたけど、カイロプラクティックを受けてからすごく元気になった」と話していたのを思い出した。

話を聞いた当時は特に体調不良もなく、今回の体調不良も「貧血にカイロプラクティックは関係ないよな」と思った。しかし、病院でもらう鉄材は副作用があるし、栄養補給だけでは変わらない自分の体を根本的に整えたいという思いが強くなり、思い切って当院を訪れた。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左仙骨翼にスポンジ状の浮腫

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、骨盤部と上部腰椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左仙骨翼と上部腰椎に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と左殿筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中3段階の慢性的なD3レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアが必要な状態であったが、仕事での残業も多く家事にも追われていたため、無理のない範囲で週末の週1回のケアから開始した。

3週目(3回目のアジャストメント)には、施術後に全身の温かさを感じるようになり、「夜の冷えが少し楽になった」と話していた。朝起き上がる際のふらつきも軽減し、体のだるさがわずかに和らいだ印象があった。

4週目(4回目のアジャストメント)には、仕事中の集中力が戻りはじめ、「午後の強い眠気や脱力感が減ってきた」との報告があった。以前はデスクワーク中に脚が冷えて感覚が鈍くなることが多かったが、下肢の血流が改善したことで、冷えの程度が軽減していた。

9週目(9回目のアジャストメント)には、月経時の経血の量が通常に戻り、「生理中でも以前のようにふらつくことが少なくなった」と話していた。体の内側から力が戻るような感覚があり、顔色にも明るさが見られた。アジャストメント後は深呼吸がしやすくなり、呼吸のリズムが安定していた。

13週目(13回目のアジャストメント)には、朝の倦怠感がほとんどなくなり、「朝から体が軽く感じる」「以前のように一日中横になっていたいと思わなくなった」と笑顔で話していた。生理の出血量も安定しており、周期前後の強い疲労感も減っていた。

現在は、全身の循環状態が安定し、立ちくらみや冷えといった貧血症状はほとんど見られない。体調が整ったことで気分の落ち込みも減り、仕事にも前向きに取り組めるようになっている。再発防止と健康維持のため、月2回のペースで定期的なカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回の貧血は、脳と卵巣をつなぐ神経機能の低下が原因であったと考えられる。

女性の造血や月経機能には、自律神経を介したホルモン分泌と循環機能が密接に関わっている。特に、視床下部—下垂体—卵巣系のホルモン分泌は、交感神経と副交感神経のバランスによって制御されており、どちらかが過剰に働くと血液循環や排出機能に異常が生じる。

交感神経が過剰に優位になると、体内の排出機能が過度に働いてしまい、その結果、経血量が多くなったり月経期間が長引くことがある。本症例ではまさにその状態がみられ、毎月の出血が多く、体力の消耗とともに貧血症状を悪化させていた。

この背景には、骨盤部という副交感神経支配領域における神経圧迫が関与していたと考えられる。副交感神経の働きが抑制されることで、交感神経が相対的に過剰に優位となり、体は“排出”の方向に過度に傾いた。その結果、経血量の増加や月経期間の延長が起こり、慢性的な鉄不足と循環不全が続いていたと推察される。

また、上部腰椎は卵巣と深い神経的連携を持つ領域であり、ここは骨盤の動きに伴う「切り返し(代償動作)」によって負担が集中しやすい部位でもある。骨盤の歪みや可動制限が続くと、上部腰椎に慢性的なストレスが加わり、卵巣への神経伝達が乱れる。結果としてホルモン分泌リズムが不安定となり、出血のコントロールが効かなくなっていた可能性が高い。

アジャストメントによって骨盤部のサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、神経伝達が正常化すると、副交感神経の働きが回復し、自律神経のバランスが整った。これにより、卵巣からのホルモン分泌リズムが安定し、血流とホルモン調節が改善されたことで、月経過多が落ち着き、造血と循環のリズムが正常化して貧血症状が改善していったと考えられる。

このように、貧血は単なる鉄不足ではなく、神経機能のアンバランスによって生じた循環不全と排出機能の過剰反応が背景にあることが多い。神経系の機能を整えることで、ホルモンや造血のバランスが自然に回復し、身体が本来持つ再生能力を取り戻すことが貧血改善に必要だと示した臨床的に重要な症例であった。
鉄欠乏性貧血と月経過多に悩まされ、毎月の生理が怖くなった
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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