歩行困難なほどの坐骨神経痛による左臀部の激痛と左脚のしびれ

歩行困難なほどの坐骨神経痛による左臀部の激痛と左脚のしびれ

どこへ行っても改善しなかった痛みとしびれが和らぎ、再びトラックを運転できるようになりました!

40代男性
来院に至った経緯
長年トラック運転手として働いており、1日の大半を座って過ごす生活が続いていた。もともと腰に軽い張りを感じることはあったが、仕事柄「職業病のようなものだ」と深く気にしてはいなかった。ところが数か月前、左のお尻に鋭い痛みが走るようになり、それ以来、痛みは日に日に強くなっていった。

特にクラッチを踏む動作のたびに激痛が走り、左脚全体にビリビリとしたしびれが広がった。脂汗が出るほどの痛みで、運転中も姿勢を変えながら何とかごまかしていたが、ついにはトラックの運転どころか、歩くことも困難なほどの痛みとしびれが出てしまった。

もともと病院が苦手で、「そのうち自然に治るだろう」と痛みを我慢していたが、悪化の一途をたどった。左脚に体重をかけることができず、靴下を履く動作すら激痛で顔を歪めるほどだった。夜は寝返りを打つたびに臀部から脚に電気が走るような痛みが出て、ほとんど眠ることができなかった。

「このままでは仕事に戻れない」と危機感を覚え、知り合いの鍼灸院を訪ねて施術を受けたが、多少温かく感じた程度で、翌日にはさらに強い痛みが襲った。次に会社の上司の紹介で整体院に通ってみたが、施術の直後から左脚のしびれが増し、夜になると激痛に変わった。歩くのもつらく、日常生活のほとんどを家の中で横になって過ごすようになった。

さすがに限界を感じ、渋々整形外科を受診。レントゲン検査を受けたが、「骨には異常がありません。典型的な坐骨神経痛ですね。痛み止めを出しておきます」と言われ、薬を処方された。

しかし、痛み止めを飲んでも効果はほとんどなく、薬が切れると再び強烈な痛みが襲う。市販の湿布薬を貼り、温めたり冷やしたりと自分なりに試してみたが、痛みはむしろ悪化していった。

朝は痛みで靴下を履くことすら困難、夜は痛みで目が覚め、満足に眠ることもできなかった。食欲も落ち、顔色も青白く、仕事どころか日常生活すらままならない状態になっていた。「このままでは本当に歩けなくなるのではないか」と恐怖を感じ、藁にもすがる思いでインターネット検索を続けていたところ、当院のホームページを見つけた。

当院に来院されたときには、左脚を引きずるようにしながら、ゆっくりと時間をかけて歩いてこられた。受付に辿り着くまでにも何度も立ち止まり、痛みをこらえながら椅子に腰を下ろしながら、「もうどこに行ってもダメだった。最後の頼みで来ました」と静かに話す表情には、長年の苦しみと疲労を物語っていた。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左仙骨翼にスポンジ状の浮腫

  • 03

    腰部起立筋から左臀部の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、下部腰椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左仙骨翼に強い浮腫が確認され、腰部起立筋と左臀部は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階は6段階中2段階のD2レベルが確認され、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

歩行困難など日常生活にも支障をきたしているような状態で、本人も早期の仕事復帰を目指していたため、さまざまな検査所見から初期集中期の段階では週2回のケアから開始した。

1週目(初回のアジャストメント)には、施術直後から歩行時の姿勢が変化し、多少左脚を引きずるものの、来院時と比べて明らかに歩きやすくなった。歩行中の痛みの出方にも変化が見られ、「足の裏まで響くような痛みが少し減った気がする」と話していた。夜間の痛みも若干和らぎ、久しぶりに短時間ながら眠ることができた。

2週目(3回目のアジャストメント)には、朝起き上がるときの激痛がやや軽減し、歩き出しの最初の数歩が以前よりもスムーズになった。左臀部の痛みは依然として残っていたが、日中に感じる脚のしびれの範囲がわずかに狭くなり、「痛みがピークのときより少し落ち着いた」と話していた。

2週目(4回目のアジャストメント)には、臀部からふくらはぎにかけてのしびれがかなり減少し、立ち上がりや歩行の際の動作も安定してきた。以前は5分も座っていられなかったが、30分ほどの運転が可能になり、痛みで顔を歪めることもなくなっていた。この段階でケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

4週目(6回目のアジャストメント)には、歩行など日常動作には一切不安がなくなった。長時間の座位でも痛みを感じることがほとんどなくなり、左脚のしびれも消失。クラッチ操作もスムーズになり、職場復帰が可能な状態にまで回復した。

現在は、坐骨神経痛による左臀部の痛みや左脚のしびれは改善されたが、再発防止と身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。

考察
今回の坐骨神経痛による左臀部の痛みと左脚のしびれは、左仙腸関節の機能低下が原因であったと考えられる。

仙腸関節は骨盤の左右に一つずつ位置し、上半身の荷重を下肢へと伝達する重要な関節である。この関節の可動性が失われると、骨盤のバランスが崩れ、腰椎や下肢への負担が増大する。その結果、筋肉や靭帯が過剰に緊張し、神経や血管の走行を圧迫することで坐骨神経痛のような症状が生じる。

本症例では、左仙腸関節の可動域制限が顕著であり、それに伴って仙骨や腰椎の運動連鎖にも乱れが生じていた。左仙骨翼が後方に変位したことで、臀部の筋群、特に梨状筋の緊張が強まり、その下を走行する坐骨神経を圧迫していた可能性が高い。

いわゆる「梨状筋症候群」のような状態であった。梨状筋の下を走行する坐骨神経は親指ほどの太さもある神経で、坐骨神経の圧迫により、左臀部の激しい痛みと脚への放散痛、さらにはしびれが出現していたと考えられる。

仙腸関節は副交感神経支配の領域に属しており、この領域の神経機能が低下すると、筋緊張の調整や血流回復の働きがうまく機能しなくなる。これにより、局所的な炎症反応が持続し、痛みの慢性化や神経過敏が助長される。結果として、軽い刺激でも強い痛みやしびれを感じるようになっていた可能性がある。

アジャストメントによって左仙腸関節のサブラクセーション(根本原因)が取り除かれると、神経の伝達が回復し、筋緊張と血流障害が改善された。これにより梨状筋や腰部の深層筋群が弛緩し、坐骨神経への圧迫が軽減されたことで、痛みとしびれが徐々に緩和していったと考えられる。

坐骨神経痛は単なる「神経の圧迫」として片づけられがちだが、その根底には骨盤部の機能的なアンバランスと神経生理学的な回復力の低下が存在する。本症例は、構造だけでなく神経機能の視点から問題を捉え、神経の働きを正常化させることで長年の痛みを根本から改善へ導けることを示す代表的な症例であった。
歩行困難なほどの坐骨神経痛による左臀部の激痛と左脚のしびれ
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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