「体質だから仕方ない」と諦めていた反り腰による腰痛

「体質だから仕方ない」と諦めていた反り腰による腰痛

どこに行っても治らなかった反り腰による腰痛が改善されました!

30代女性
来院に至った経緯
周囲からは「姿勢が良いね」と褒められることが多かったが、本人は昔から腰の反りが強いことを気にしていた。

特に電車で立っているとき、気をつけているつもりでも腰がどんどん反っていくような感覚があり、数駅過ぎる頃には腰の奥が重たくなり、途中で壁に寄りかかったり、つり革を強く握って体を支えたりせずにはいられなかった。

社会人になり、長時間のデスクワークが続くようになると違和感は痛みに変わり、午後になると腰が張って椅子から立ち上がるのが辛い日が増えた。休日に買い物へ出かけても、歩いている途中で腰が苦しくなり、途中でしゃがみ込んで荷物を床に置くこともあった。

30代に入ってからは朝の起き抜けから腰が重く、靴下を履く動作すら苦痛に感じるようになり、「このまま慢性化してしまうのでは」と強い不安が募っていった。

さらに辛かったのは、仕事でプレゼンをしている最中だった。人前で立ちっぱなしになると腰が次第に反ってきて、話に集中できないほどの痛みが走る。プレゼンが終わる頃には汗をかくほど腰が固まり、質疑応答をこなす余裕もなく、悔しい思いを繰り返していた。

「また痛みが出たらどうしよう」という不安が常に頭をよぎり、仕事への自信も次第に失われていった。

日常生活でも、子どもと公園で遊ぶときにしゃがんだり抱き上げたりする動作が苦しくなり、思うように一緒に遊んであげられないことが増えた。子どもから「もう抱っこしなくていいよ」と言われたときには、身体の辛さよりも「親としての役割を果たせていないのではないか」という情けなさが胸を突き刺した。腰の痛みが、家族との時間まで奪ってしまっていた。

整形外科を受診してレントゲンを撮ったが「骨には異常ありません」と言われ、湿布や痛み止めを出されただけだった。一時的に楽にはなるものの、翌日にはまた同じ痛みが戻ってしまった。

藁にもすがる思いで整体にも通ってみたが、ある先生には「反り腰は体質なので治りません」と言われ、別の整体では「反り腰は元に戻らないから、週2回通えば腰が固まらないように揉みほぐせます」と説明を受けた。

言われるままに3か月間通ってみたものの、通えば通うほど腰が重たくなる気がして、結局は続けることを断念した。どこへ行っても根本的な答えが得られず、「このまま一生、反り腰と腰痛を抱えて生きていくしかないのか」と諦めに似た気持ちが強くなっていった。

そんなとき、知人から「そんなに腰が辛いなら、ここの先生凄いから相談してみたら?」と言われ、当院を紹介された。半信半疑でホームページを見てみると「反り腰による腰痛が改善」という記事を見つけた。

これまで数えきれないほどの整体を渡り歩いてきて改善されなかったが、自分と同じように反り腰による腰痛が改善されたという記事を読み、「自分が探していた治療院はここだ!」と直感し、強い期待を持って当院に来院された。


【神奈川県藤沢市から来院】
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の明らかな可動域制限

  • 02

    左上後腸骨棘上端内縁に強い浮腫

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容
初診時の状態では、左の仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、下部腰椎と骨盤部に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また左上後腸骨棘上端内縁と下部腰椎に強い浮腫が確認され、腰部起立筋は過緊張の状態であった。

レントゲン評価では、椎間板をD1~D6という6段階で評価していく。腰の椎間板の段階は6段階中4段階の慢性的なD4レベルで重度の骨盤の傾きや過前弯で反り腰が確認された。首の椎間板の段階はそれほど慢性的なところは確認されなかったが、首の前弯カーブ(前カーブ)は消失してストレートネックとなっていた。

初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事や子育ての関係で週1回のケアから開始した。

2週目(2回目のアジャストメント)には、通勤時の電車で腰が反ってくる感覚が大幅に減少した。朝起きたときの腰の重さもやわらぎ、靴下を履くときの前かがみ動作も以前より楽になった。「朝から体が軽く感じる」と本人も驚いていた。

5週目(5回目のアジャストメント)には、デスクワーク後の腰の張りが軽減し、午後に立ち上がるときの鈍痛も和らいだ。休日に買い物に出かけても、途中でしゃがみ込んで休むことがなくなり、外出への不安が少しずつ減っていった。

7週目(7回目のアジャストメント)には、子どもを抱き上げるときの腰の苦しさが大幅に改善した。「一緒に遊んであげられる時間が増えて本当に嬉しい」と表情にも余裕が見られるようになった。電車内での腰が反ってくる感覚は一切気にならなくなった。

11週目(11回目のアジャストメント)には、仕事中のプレゼンや会議で長時間立ち続けても腰が反り返るような痛みはまったく出なくなり、人前でも落ち着いて話せるようになった。姿勢も自然に安定し、「自分でも立っている姿が以前より楽に見える」と実感していた。

現在は、反り腰による腰痛の症状はほとんど落ち着いているが、再発を防ぎ心身を安定させるために、定期的なカイロプラクティックケアを継続している。

考察
今回の反り腰による腰痛は、骨盤と腰椎のアンバランスによって腰椎前弯(いわゆる反り腰)が強調され、脊柱を支える筋肉と神経に過剰な負担が掛かっていたことが原因であったと考えられる。

腰椎の前弯が強くなると、腰椎椎間板の後方が圧迫されやすくなるだけでなく、腰部の多裂筋や腸腰筋などの深部筋群が常に緊張状態に置かれる。その結果、血流が滞り、筋疲労や炎症が慢性化して「動かすたびに痛い」「長時間立っていられない」という症状に繋がりやすい。

姿勢のアンバランスは脊髄神経への負担とも直結する。特に腰椎から分かれる神経は骨盤や下肢の筋肉を支配しており、この領域に負荷が生じると、神経の伝達効率が低下する。これにより筋肉はさらに不安定に働き、反り腰が悪循環的に強調される構造的ストレスが加わっていく。

反り腰は人間が持っている補正作用の一部としても説明がつく。骨盤(腸骨)が後ろに傾くと補正作用で仙骨は前傾となる。腰椎は仙骨の上に乗っているため腰の前弯カーブは増大してしまう。また、骨盤が後ろに傾いてロックすると重心が後ろに掛かっているので、前後のバランスを取ろうとして反り腰が増大してしまう場合もある。

さらに、仙骨の奇形という点も見逃してはならない。女性は特に多い問題ではあるが、骨盤の真ん中に位置する仙骨は子供の頃は5つに分かれており、それが大人になるにつれ背骨の土台となる仙骨という大きな骨に癒合していく。

この過程で骨盤の外側に位置している腸骨に僅かな左右差があると、真ん中にある仙骨には捻じれが生じるため、仙骨の奇形が助長されてしまう。その結果、仙骨の分節が大きく残ってしまい反り腰を助長させる原因にもなってしまう。

女性は男性と比べると骨が柔らかいので、特に注意が必要である。仙骨に奇形が生じると反り腰だけではなく、生理痛や生理不順といった婦人科系の問題にも繋がりかねないため、成長期が終わる前の子供の頃からカイロプラクティックケアで予防するということは非常に優位である。

仙骨の奇形には、レントゲン評価という検査を欠かすことができない。女性の場合であれば、仙骨の分節間は僅か1㎝に満たない幅である。触診だけに頼るのではなく、そこにレントゲン評価が加わることで、より根本原因を特定する正確な検査に繋がる。

慢性的な反り腰は交感神経の過緊張を助長しやすい。交感神経が優位な状態が続くと血管が収縮し、腰周囲の組織への酸素供給が低下することで、疲労や重だるさが慢性化する。実際に、患者は朝起きた時点ですでに腰の重さを感じており、これは夜間も交感神経の影響で筋肉が十分に回復できていなかったことを示唆している。

アジャストメントによってサブラクセーション(根本原因)が取り除かれることで、神経伝達が回復し、筋肉や循環系のバランスも取り戻される。その結果、立位や歩行などの日常動作で腰への負担が軽減され、反り腰による腰痛が改善されたと考えられる。

反り腰の原因が、腸骨の問題なのか仙骨の問題なのか、そして何よりもどの神経系に負担が掛かって反り腰になってしまったのか。それを特定する検査が何よりも重要である。

今回の症例は、反り腰の「形」そのものを直接的に治すのではなく、背骨や骨盤と神経の働きを整えることで体が本来の安定を取り戻し、結果として反り腰による腰痛が改善したことを示す好例であった。
「体質だから仕方ない」と諦めていた反り腰による腰痛
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前田 一真

執筆者前田 一真

神奈川県藤沢市出身。1972年に塩川満章D.C.が開院した銀座の塩川カイロプラクティックに内弟子として入る。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。また日本で最も歴史あるカイロプラクティック学校シオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。2023年5月に地元である藤沢の地で、カイロプラクティックの最前線である塩川カイロプラクティックで学んだ本物のカイロプラクティックを提供する院を実現するため、【前田カイロプラクティック藤沢院】を開院。

笑顔溢れ、心豊かに、幸せな毎日をサポートできるようにカイロプラクターとして尽力している。またシオカワグループの一員として、感謝・感動・希望に溢れる社会を目指している。

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