足がつる(こむら返り)

何度も繰り返す「こむら返り」足がつる本当の原因とは?

何度も繰り返す「こむら返り」足がつる本当の原因とは?

足がつる、いわゆる「こむら返り」は、ある日突然ふくらはぎが強く収縮し、思わず声が出るほどの激しい痛みに襲われる症状です。数十秒で治まることもあれば、数分間こわばり続けるケースもあり、痛みが治まった後もしばらく歩きづらさや不快感が残ることがあります。

夜中や明け方に突然起こるタイプは特に多く、「寝ているのに疲れが取れない」「またつるかもしれないと不安になる」といった声もよく聞かれます。運動不足や脱水、冷え、姿勢習慣などが一般的な原因として挙げられますが、同じ生活をしていても頻繁に足がつる人と、ほとんど経験しない人がいるのも事実です。

この違いを説明するには、筋肉そのものではなく、その働きを調整している“神経機能”を深く理解する必要があります。筋肉が収縮と弛緩をスムーズに繰り返せるのは、神経からの正確な指令が届いている状態です。つまり、足がよくつるという現象は、「今、神経や循環の働きに乱れが生じています」という体の内側からのサインである場合が少なくありません。

一般的には、マグネシウム不足や水分不足などが語られがちですが、単純な栄養補給だけでは改善しないケースが多いのも現実です。背景にある神経の働きが乱れたままでは、再発を繰り返してしまいます。

このコラムでは、足がつる(こむら返り)に対する正しい知識と、一般的な治療法とカイロプラクティックでの対策法の違いをお伝えしていきます。

こんな経験したこと
ありませんか?

  • 夜中に突然ふくらはぎが強く収縮し、激痛で飛び起きてしまう
  • 朝起きると足に残るこわばりが一日中続き、歩くたびに違和感がある
  • 運動していないのに、ちょっとした姿勢の変化でふくらはぎがピクッと反応する
  • 水分補給やストレッチを続けているのに、結局また同じところがつってしまう
  • 「またつるかもしれない」という不安が寝る前に頭をよぎり、熟睡できない

一般的な足がつる(こむら返り)に対しての治療法common medical care
一般的な腰痛に対しての治療法
足がつるとき、多くの方がまず意識するのは水分不足やミネラル不足です。一般的には、ミネラル補給や、電解質を補う飲料で失われた成分を補う方法が広く行われています。また、筋肉の緊張をやわらげる目的で、漢方薬が処方されることもありますが、いずれも症状そのものを一時的に落ち着かせるための対処になります。

ストレッチや入浴もよく推奨される方法で、筋肉を温めて柔軟性を保つことで、つりやすい状態を軽減しようとする試みです。さらに、睡眠前にふくらはぎを伸ばす、軽い運動を取り入れる、冷えが強い場合は温めるといったセルフケアも一般的なアドバイスです。

これらの方法は、外側の条件を整えることには役立ちますが、足がつる根本的な原因まで解決できるわけではありません。実際、生活習慣を見直しても「また同じように足がつってしまう」「季節や気温の変化で必ず再発する」という声は多く、改善と再発を繰り返すケースは珍しくありません。

同じ環境にいながら頻繁につる人と、ほとんどつらない人がいることを考えると、筋肉の状態や水分量といった外的な要素だけでは説明しきれない“個体差”が存在しています。筋肉を動かすのは神経の働きであり、この神経が過敏になっていると、わずかな刺激でも筋肉が急激に収縮しやすくなります。

さらに、ストレスや睡眠不足、寒暖差などによって自律神経が乱れると、筋肉への血流が不安定になり、疲労が抜けにくい状態となります。こうした内側の環境が整っていないと、外側の対処法をどれだけ試しても、根本的な改善にはつながらず、再発を繰り返すことになります。

そもそも足がつるという現象は、体が「内側のどこかで負担が蓄積しています」というサインを発している状態です。薬やストレッチによって症状が和らいでも、そのサインを生み出している原因そのものには到達できません。

カイロプラクティックでは、こうした体の内側の働きに目を向け、どの部分で神経が過敏になっているのか、どこで血流が滞りやすくなっているのかを捉えながら足がつる(こむら返り)問題に対してアプローチしていきます。
カイロプラクティックでのアプローチchiropractic approach
カイロプラクティックでのアプローチ
足がつる(こむら返り)は、筋肉そのものが突然かたくなる現象に見えますが、その背景には必ず「筋肉を動かしている神経の働き」に変化が起きています。筋肉が過度に収縮してしまうのは、筋肉が勝手に暴走しているのではなく、神経が一時的に正常な指令を出せなくなっている状態です。どのタイミングでつりやすいのか、左右差はあるのか、夜間に多いのか、運動後なのかといった細かな違いは、体がどのように負担を受けているかを示す重要なサインとなります。

人間の体はストレスを受けると交感神経が優位になり、血管が収縮し、筋肉への血流が低下します。血流が不安定になると、筋肉に必要な酸素や電解質が十分に行き渡らず、神経の伝達も乱れやすくなります。わずかな刺激でも筋肉が急激に収縮してしまうのは、神経が過敏になり、回復のための余裕を失っているためです。

さらに負担が蓄積すると、体は回復のために副交感神経を働かせます。このとき体内ではプロスタグランジンなどの物質が使われ、血流を促して修復を進めますが、炎症反応が起こるために鈍い痛みやだるさが残ることがあります。これは異常ではなく、体が修復を行うための自然なプロセスです。足がつりやすい状態が続いている人ほど、神経が十分に休めないまま負担が積み重なっている可能性があります。

カイロプラクティックでは、こうした神経機能の乱れを細かく読み取り、脳と体の間で正確な情報がやり取りできる状態を整えることを目指します。体表温度検査、視診、静的触診、動的触診、レントゲン評価を駆使して、どこで神経が過敏になっているのか、どの段階で働きが乱れているのかを丁寧に確認します。特定の部位を決めつけるのではなく、脊柱全体の働きの中で神経がスムーズに機能できる環境を整えていくことが大切です。

神経が正しく働き始めると、筋肉は必要以上に収縮する必要がなくなり、血流も自然に回復しやすくなります。これにより、寝ている間のこむら返りが減ったり、運動中・運動後の足のつりやすさが軽減するなど、日常生活の中で「つりにくい状態」が安定していきます。

大切なのは、症状だけを外側から抑え込むのではなく、内側で起きている神経機能の乱れそのものに向き合うことです。神経が本来の働きを取り戻すことで、体の回復力が自然と発揮され、こむら返りに悩まされない毎日へと近づいていきます。安心して眠れる夜や、自由に動ける日常を取り戻し、快適な身体づくりを目指しましょう!
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