小児喘息

小児喘息の本当の原因は“気管支”ではなく“自律神経の乱れ”だった!?

小児喘息の本当の原因は“気管支”ではなく“自律神経の乱れ”だった!?

お子さんが夜になると咳き込む、運動すると息が苦しそうになる。このような症状に悩んでいませんか。
小児喘息は、気道(空気の通り道)に慢性的な炎症が起こり、呼吸がしづらくなる病気です。発作時にはゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音が聞こえることもあります。

日本小児アレルギー学会の報告では、国内の小児の約10人に1人が喘息を経験しており、年々増加傾向にあります。発症のピークは3〜6歳頃といわれていますが、体質や生活環境、ストレス、姿勢、睡眠の質などが複雑に関係しており、必ずしも「成長すれば自然に治る」とは限りません。

一般的にはアレルギー体質や遺伝が原因とされますが、近年では自律神経のバランスが乱れることで気道の炎症反応や呼吸リズムが崩れることが指摘されています。交感神経が過剰に働くと気道が狭まり、副交感神経が過剰に働くと気道分泌が増えるように、喘息発作の背景には神経系の調整機能が深く関係しているのです。

現代の子どもたちは、スマートフォンやタブレットの長時間使用による前かがみ姿勢、睡眠不足、精神的なストレスなどで自律神経の働きが不安定になりやすい傾向があります。その結果、夜間や季節の変わり目に症状が悪化しやすく、単に環境や気候の問題だけでは説明できない発作を繰り返すケースも少なくありません。

このコラムでは、小児喘息の正しい理解と一般的な治療法、そしてカイロプラクティックによる根本的なサポートの違いについて分かりやすく解説していきます。

こんな経験したこと
ありませんか?

  • 夜になると咳が止まらず、眠れないことがある
  • 運動するとゼーゼー、ヒューヒューと苦しそうな呼吸になる
  • 季節の変わり目や風邪の後に、喘息のような症状を繰り返す
  • 病院で薬をもらっても一時的に良くなるだけで、また発作が出てしまう
  • 天気や気温、ストレスなどで症状の強さが変わる

一般的な小児喘息に対しての治療法common medical care
一般的な腰痛に対しての治療法
小児喘息に対しては、気道の炎症を抑えることと、発作を起こさないようにコントロールすることを目的とした治療が行われます。一般的には吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などを使用し、気道の炎症を鎮めたり、発作時の呼吸を楽にしたりします。これらの薬によって一時的に症状は安定しますが、根本的に発作を起こしにくい体質へと変化させることは難しいとされています。

また、アレルギー体質が関係していると判断された場合には、ダニやハウスダスト、花粉などのアレルゲンを避ける生活環境の改善が指導されます。寝具の清掃、空気清浄機の使用、ペットやタバコの制限などが一般的な対策です。これらの工夫によって発作を減らすことは可能ですが、環境を完全にコントロールするのは現実的に困難なことも多くあります。

一般的な原因としては、遺伝的要因、気候の変化、ウイルス感染、ストレス、姿勢の乱れ、睡眠不足などの外的要因が挙げられます。これらが重なることで自律神経のバランスが乱れ、気道の過敏性が高まりやすくなると考えられています。

そのため、一般的な対処法としては薬の服用や吸入を継続しながら、生活リズムを整え、十分な睡眠と栄養を確保することが推奨されます。これらは発作の頻度を抑えるうえで一定の効果がありますが、薬をやめると再び咳や息苦しさが戻ってしまうケースも少なくありません。

これらの外的要因を見直すことが小児喘息の対策法とされていますが、どれも根本的な改善とはならず、その場限りの対処法となってしまいます。

考えてみてください。もし生活環境の乱れやアレルギー体質などの外的要因が小児喘息の原因であるならば、同じような環境にいる子どもたちが全員喘息を発症してしまうはずです。しかし実際には、発症する子どもとしない子どもがいます。その違いは、体の内側の働き、つまり神経系の調整力にあります。

ここで大切なのは、小児喘息の対策として外的要因ばかりに意識を向けるのではなく、体の内側に意識を向けることです。子どもの体は常に成長の途中であり、ストレスや姿勢、睡眠などの小さな変化にも敏感に反応します。そのような変化に影響を受けにくい体をつくるためには、内側の働きを整えることが重要です。

小児喘息は「今の状態は呼吸のリズムが乱れていますよ」「神経の働きがうまく協調していませんよ」という体からの大切なSOSのサインです。そのサインを薬で一時的に抑えるのではなく、なぜ呼吸が乱れてしまうのか、なぜ発作を繰り返してしまうのかという根本原因を見極めることが大切です。

カイロプラクティックでは、体の内側に存在する根本原因を神経機能の乱れとして捉えます。さまざまな検査を通して神経の働きを評価し、呼吸リズムや自律神経の調整機能を回復させることで、小児喘息に対して内側から根本的なサポートを行っていきます。
カイロプラクティックでのアプローチchiropractic approach
カイロプラクティックでのアプローチ
小児喘息は、単に「気管支が弱い」「アレルギー体質だから」という表面的な問題ではなく、呼吸をコントロールしている神経機能の乱れが深く関係していることがあります。呼吸のリズム、気道の拡張・収縮、炎症のコントロールなどはすべて自律神経によって精密に調整されています。

自律神経には、活動時に働く交感神経と、休息・回復時に働く副交感神経があります。交感神経が過剰に働くと、気道の緊張が強くなって呼吸が浅くなり、副交感神経が過剰になると気道分泌が増えて咳が出やすくなります。つまり、どちらか一方に偏った状態が続くと、気道のバランスが崩れ、喘息の発作を誘発しやすい状態をつくってしまうのです。

また、呼吸は単に肺だけの働きではありません。横隔膜の動き、肋骨の可動性、胸椎の柔軟性、そして姿勢の安定性など、全身の連動によってスムーズな呼吸が保たれています。猫背姿勢や長時間の座位姿勢が続くと、胸郭(肋骨と胸椎で構成される部分)の動きが制限され、結果的に呼吸が浅くなり、自律神経のリズムにも影響が出てしまいます。

カイロプラクティックでは、神経系を中心に全身の連動性を丁寧に評価します。脳と体をつなぐ神経伝達のどこに滞りが生じているのかを検査によって見極め、必要な箇所に最小限の刺激でアプローチを行います。神経伝達が回復すると、交感神経と副交感神経のバランスが自然に整い、呼吸のリズムも安定していきます。

さらに、呼吸の改善は免疫機能にも大きく関係します。神経の働きが整うことで、体はウイルスやアレルゲンに過敏に反応しにくくなり、炎症が起こりにくい健やかな状態を維持できるようになります。薬で症状を抑えるだけでは得られない「発作を起こしにくい体の仕組み」を取り戻すことが目的です。

子どもの体は成長段階にあり、神経系も柔軟で回復力に富んでいます。だからこそ、早期に神経の働きを整えることで、呼吸や免疫のリズムを健やかに育てていくことが可能です。カイロプラクティックケアによって神経の調和を取り戻し、小児喘息に怯えずに薬に頼らないのびのびと呼吸できる健やかな身体づくりを目指していきましょう!
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