下肢の筋力低下

下肢の筋力低下の本当の原因は、「筋肉」ではなく“神経の働き”にあった!

下肢の筋力低下の本当の原因は、「筋肉」ではなく“神経の働き”にあった!

近年、「脚の筋力が落ちてきた」「立ち上がるのに時間がかかる」と感じる人が増えています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、40代以降の男女の約6割が「下半身の筋力低下」を自覚しており、特に女性では50代後半から急激に増える傾向があると報告されています。

筋力は20代をピークに徐々に低下していくとされますが、実際には運動不足だけでなく、長時間のデスクワークやストレス、姿勢の乱れなど、現代的な生活習慣も深く関係しています。特に最近では「若いのに階段で脚が重い」「しゃがむ動作がつらい」といった、30〜40代の働き盛り世代の訴えも増えています。

下半身の筋力が低下すると、疲れやすくなるだけでなく、膝や腰への負担が増え、転倒や慢性痛のリスクも高まります。さらに、歩くスピードの低下やバランス感覚の衰えは、日常生活の自立度にも影響を及ぼします。

「運動不足だから仕方ない」と軽く考えがちですが、実際には下半身の筋力低下が続くことで、体の回復力そのものが落ちてしまうケースも少なくありません。

このコラムでは、下肢の筋力低下に関する正しい知識と、一般的な対処法、そしてカイロプラクティックによる根本的なアプローチの違いについて解説していきます。

こんな経験したこと
ありませんか?

  • 階段を上るときに太ももが重く感じ、途中で一段ずつ休みたくなる
  • 長く立っていると脚がふらつく、または力が抜けるような感覚がある
  • 歩くスピードが以前より遅くなり、少しの距離でも疲れやすい
  • 椅子から立ち上がるときに手で支えないと立てない
  • 最近、ふくらはぎや太ももが細くなった気がする

一般的な下肢の筋力低下に対しての治療法common medical care
一般的な腰痛に対しての治療法
下肢の筋力低下に対する一般的な対処法は、「筋肉を鍛える」「栄養を補う」「生活習慣を見直す」といった方法が中心です。整形外科やリハビリ科では、まず筋肉量の低下を防ぐために運動療法が推奨されます。代表的なものに、スクワットやレッグプレスなどの下肢筋トレ、ウォーキングや水中運動などの有酸素運動があります。

一方で、急に負荷をかけすぎると関節や筋肉を痛めてしまうこともあり、継続が難しいという声も少なくありません。特に膝や腰に痛みがある人では、筋トレそのものが苦痛になり、結果的に運動量が減ってしまうという悪循環に陥ることもあります。

また、医療機関ではビタミンDやタンパク質、鉄分など、筋肉の修復に必要な栄養素を補う栄養指導が行われることもあります。サプリメントやプロテインを活用して筋肉量を維持する方法もありますが、栄養を摂るだけでは筋肉が自然に強くなるわけではありません。

筋肉を動かす“指令”を出しているのは神経であり、その働きが乱れていると、どれだけ栄養を補っても十分に力を発揮できないのです。

さらに、近年では「サルコペニア(加齢性筋肉減少症)」や「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」といった概念が注目されるようになりました。これらはいずれも下肢の筋力低下が中心的な問題であり、放置すれば転倒や寝たきりのリスクを高めるとされています。

しかし、こうした治療や予防法の多くは“筋肉そのもの”に注目しており、「なぜ筋肉が弱くなってしまったのか」という根本原因には十分に踏み込めていません。

そもそも下肢の筋力低下は、「筋肉を鍛えれば解決する」という単純なものではありません。下肢の筋力低下は「何かがおかしいですよ!」「今、体がうまく機能していません!」と体が教えてくれている内側からのSOSのサインでもあります。

そのサインを一時的な筋トレや栄養補給でごまかすのではなく、なぜ力が入りづらくなっているのかという根本原因を見つけることが大切です。

カイロプラクティックでは、体の内に存在する根本原因である“神経機能”に着目し、下肢の筋力低下に対してアプローチしていきます。
カイロプラクティックでのアプローチchiropractic approach
カイロプラクティックでのアプローチ
下肢の筋力低下は、単に「筋肉を使っていないから弱った」という問題ではありません。実際には、筋肉を動かすための神経の働きが乱れ、脳からの指令がうまく伝わっていないことが根本的な要因となっているケースが多く見られます。

私たちの筋肉は、脳から神経を通じて「動け」という指令を受け取ることで働きます。この神経伝達が滞ると、筋肉は本来の力を発揮できず、使っているつもりでも正しく働かない状態になります。結果として、一部分の筋肉だけが過剰に使われ、別の筋肉がうまく働かない「アンバランスな状態」が生まれ、徐々に筋力の低下が進行していくのです。

また、人間の痛みの感覚は「正常 → 痛み → しびれ → 麻痺」という順番で進行していきます。筋力の低下とは、すでに“麻痺”の段階に近い状態であり、神経の働きがかなり低下しているサインです。つまり、下肢の筋力が落ちているということは、単なる運動不足ではなく、慢性的に神経の伝達が乱れ、身体の機能が深いレベルで弱っていることを意味します。

下肢へとつながる神経は、腰や骨盤から分岐して下肢に走行しています。そのため、問題となっている神経系が「腰部の神経なのか」「骨盤部の神経なのか」を正確に見極めることが重要です。腰部での圧迫や骨盤での神経伝達の障害など、原因の部位によって現れる症状や筋力の低下パターンは異なります。

特に骨盤部にある仙腸関節の機能低下は、下半身全体の神経伝達に大きな影響を与えます。仙腸関節は脊柱と下肢をつなぐ“体の土台”であり、この部分の動きが悪くなると、歩行時のバランスや脚の筋肉の使い方に偏りが生じます。どちらか一方の関節が固くなると、反対側が過剰に動き、結果として腰椎や股関節にねじれや引き伸ばしのストレスがかかりやすくなります。

このような状態が続くと、脚を支える神経の働きが弱まり、筋肉が十分に使えなくなります。たとえば「片脚だけ力が入りにくい」「階段で同じ側の脚ばかり疲れる」といった状態は、まさに骨盤と神経の協調機能が乱れているサインです。

カイロプラクティックでは、筋肉そのものを直接鍛えるのではなく、神経が正しく働く環境を整えることを目的とします。脳と体をつなぐ神経の伝達を正常化し、仙腸関節や腰椎のバランスを整えることで、脚の筋肉が自然と正しく使える状態を取り戻していきます。

神経の働きが整うと、筋肉の緊張と弛緩のリズムが正常化し、血流や代謝も改善されます。これにより筋肉に十分な酸素と栄養が供給され、鍛えなくても“使える筋肉”として回復していくのです。

下肢の筋力低下は「年齢のせい」や「運動不足」ではなく、体のバランスと神経機能の乱れによって起こる“全身のサイン”でもあります。カイロプラクティックケアで体の内側から神経の働きを整え、しっかりと力の入る安定した脚を取り戻しましょう!
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