ハイハイ・ずりバイ

ハイハイをしない・ずりバイが続くのは“神経の発達リズム”が関係している!?

ハイハイをしない・ずりバイが続くのは“神経の発達リズム”が関係している!?

「うちの子、なかなかハイハイをしない」「ずりバイのまま立たない」「片足だけでハイハイする」と不安を感じたことはありませんか。
赤ちゃんの発達には個人差があるとはいえ、他の子と比べて動き方が違うと、どうしても心配になるものです。

厚生労働省の「乳幼児身体発育調査」によると、一般的にハイハイを始める時期は生後8〜10か月頃とされています。けれども、すべての赤ちゃんがこの時期にハイハイをするわけではありません。ずりバイの期間が長い子や、ハイハイをほとんどせずにお尻を使って進む「シャフリングベビー」と呼ばれるタイプの子もいます。

男女差ではやや女児に多い傾向があり、筋緊張がやや低めの子どもや、慎重な性格の子に見られやすいとも言われています。
また、ハイハイは単なる移動の手段ではなく、赤ちゃんの脳と神経の発達にとって重要な役割を持っています。この時期の動き方の違いには、体の使い方だけでなく、神経の働き方にも個性があらわれるのです。

日本小児神経学会の報告によると、ハイハイをほとんどしなかった子どもの中には、姿勢の保持やバランス感覚、運動の協調性などに影響がみられる場合もあります。これは単なる運動の遅れではなく、神経発達の協調が十分に整っていないサインとして注目されています。

つまり、「ハイハイが遅い」「ずりバイが続く」「片足だけで動く」といった様子は、体の問題というよりも、脳と体をつなぐ神経のバランスに関係している可能性があるのです。

このコラムでは、ハイハイやずりバイに関する正しい理解と、一般的な発達支援との違い、そしてカイロプラクティックによる根本的なサポートについてわかりやすく解説していきます。

こんな経験したこと
ありませんか?

  • 同じ月齢の子はハイハイをしているのに、うちの子はずりバイばかりで心配になる
  • ハイハイをしても片足を引きずるような動きで、バランスが悪く見える
  • つかまり立ちはするのに、ハイハイをほとんどせずに歩こうとする
  • ハイハイの時期が短く、すぐにつたい歩きに移ってしまった
  • 歩けるようになったあとも、転びやすい

一般的なハイハイ・ずりバイに対しての治療法common medical care
一般的な腰痛に対しての治療法
ハイハイやずりバイの時期が遅かったり、片足だけで動いたりする場合、多くの保護者はまず小児科や保健センターで相談します。一般的には「発達には個人差があります」「焦らず見守りましょう」と説明を受けることが多いです。

確かに、発達の早い・遅いには幅があり、少し時間をかけて見守るだけで自然に改善するケースもあります。

一方で、筋力やバランスの発達を促すために、理学療法士や作業療法士による運動訓練(リハビリ)を勧められることもあります。マット運動やおもちゃを使った誘導、寝返りやお座りの練習などを通じて、体の使い方をサポートしていくのが一般的です。

また、自宅でできる工夫としては、赤ちゃんが自由に動ける広いスペースを確保することや、固すぎないマットを敷いて安全に手足を動かせる環境を整えることが大切とされています。
おもちゃを少し離れた位置に置いて自発的に動かせるよう促す方法も、動作のきっかけづくりとして効果的です。

これらの方法は、筋力や運動経験を増やすという意味ではとても有効です。
しかし、それでもなかなかハイハイの動きが出ない、片側ばかり使う、動き方がぎこちないといった場合、単なる「筋肉の問題」や「やる気の問題」ではない可能性があります。

実際には、体を動かす命令を出しているのは脳であり、その命令を手足に伝えるのが神経の働きです。
つまり、ハイハイがスムーズにできるかどうかは、筋力そのものよりも、脳と神経の“連携の成熟度”が深く関わっているのです。
カイロプラクティックでのアプローチchiropractic approach
カイロプラクティックでのアプローチ
ハイハイやずりバイは、単なる移動手段ではなく、赤ちゃんの背骨と神経の発達にとって非常に大切な過程です。生まれたばかりの赤ちゃんの背骨は、全体が丸まったC字カーブをしており、これは胎児期の姿勢を保った状態です。そこから成長とともに重力に適応していく過程で、背骨は少しずつ大人と同じS字カーブへと変化していきます。

首がすわり、腹ばいの状態から頭を持ち上げることで頸椎の前弯が形成され、ハイハイの姿勢で体を支えながら前進することで腰椎の前弯が作られます。このように、ハイハイの時期は背骨がC字からS字へと発達していく大切なステップであり、このS字カーブが重力下での衝撃を吸収し、脳と体をつなぐ神経を守るクッションの役割を果たします。

ハイハイの動作では、右手と左足、左手と右足を交互に動かす「交差運動」が行われます。この動きが脳の左右をつなぐ神経線維(脳梁)の発達を促し、バランス感覚や集中力、姿勢の安定にも大きく関係しています。もし、ずりバイのまま立ち上がってしまったり、片側ばかりでハイハイをしていたりすると、この神経と運動の協調がうまく育たず、脊柱の生理的弯曲が十分に形成されないことがあります。

カイロプラクティックでは、こうした発達段階における神経系の働きを重視します。背骨は脳と体をつなぐ大切な通り道であり、その可動性や配列にわずかな乱れがあるだけでも、神経の伝達に影響が生じることがあります。神経の働きが低下すると、体は無意識のうちに動き方を変えてバランスを取ろうとするため、ハイハイがぎこちなくなったり、左右非対称な動きが続いたりすることがあります。

カイロプラクティックケアでは、まず神経の働きを丁寧に検査し、脳から体への情報伝達がスムーズに行われているかを確認します。そのうえで、必要な部位に最小限の刺激を加え、神経の働きを整えていきます。赤ちゃんへのケアはとても優しく、背骨や骨盤を通して神経の働きを自然な状態へ導くことで、体が本来持っている発達のリズムを取り戻せるようにサポートします。

神経伝達が整うと、脳と体の協調がスムーズになり、ハイハイの動きも自然でリズミカルになります。これによって、脊柱のS字カーブが正しく形成されるだけでなく、呼吸や循環、自律神経の働きも安定していきます。ハイハイは「ただ動くための行動」ではなく、神経・構造・生理機能がひとつに統合されるための大切なプロセスです。カイロプラクティックで神経の調和を整え、健やかな発達リズムを育んでいきましょう!
pagetop