頸椎椎間板ヘルニア

頸椎椎間板ヘルニアは“首だけの問題”ではない。全身のバランスが引き起こす警告サイン

頸椎椎間板ヘルニアは“首だけの問題”ではない。全身のバランスが引き起こす警告サイン

近年、スマートフォンやパソコン作業の増加に伴い、首や肩の不調を訴える人が急増しています。その中でも「首のヘルニア」と呼ばれる頸椎椎間板ヘルニアは、20代から60代まで幅広い世代で見られる代表的な疾患のひとつです。

日本整形外科学会の報告によると、頸椎椎間板ヘルニアの有病率は40〜50代で最も高く、特にデスクワーク中心の職業や長時間のスマホ操作など、前かがみ姿勢を続ける生活が発症リスクを高めるとされています。

頸椎椎間板ヘルニアとは、首の骨(頸椎)と頸椎の間にあるクッション「椎間板」が何らかの原因で突出し、周囲の神経を圧迫してしまう状態を指します。主な症状は、首の痛み、肩こり、腕や手のしびれ、力が入りにくいといった神経症状です。

初期では「肩が重い」「腕がだるい」といった軽い違和感から始まりますが、進行すると「首を動かすと腕にビリッと痛みが走る」「指先の感覚が鈍い」「ペットボトルのキャップが開けにくい」など、日常生活に支障をきたすこともあります。

病院では「加齢による変性」「姿勢の悪さ」「ストレートネック」などが原因と説明されることが多く、確かにそれらも関係します。しかし、同じような生活を送っていても発症する人としない人がいるのはなぜでしょうか。

頸椎椎間板ヘルニアは、単なる構造的な問題ではなく、長年の姿勢習慣や筋肉のアンバランス、そして神経・循環の働きの乱れが複雑に絡み合って起こることが多い疾患です。

このコラムでは、頸椎椎間板ヘルニアの正しい知識と一般的な治療法、そしてカイロプラクティックによる根本的なアプローチの違いについて解説していきます。

こんな経験したこと
ありませんか?

  • 朝起きたとき、首が固まって動かしづらい
  • デスクワークの途中で肩や腕がズーンと重くなる
  • 首を後ろに反らすと、腕や手にビリッと痛みやしびれが走る
  • ペットボトルのキャップを開ける・ボタンを留めるなどの細かい動作がしにくい
  • マッサージや湿布をしても、その場しのぎでまた痛みやしびれが戻ってしまう

一般的な頸椎椎間板ヘルニアに対しての治療法common medical care
一般的な腰痛に対しての治療法
頸椎椎間板ヘルニアの一般的な治療は、「神経の圧迫を和らげること」と「痛みやしびれを軽減すること」を目的に行われます。

整形外科ではまず安静が指導され、首に負担をかける姿勢や動作を避けるように求められます。症状が強い場合には、消炎鎮痛薬(痛み止め)や筋弛緩薬、湿布薬、神経ブロック注射などが用いられます。これらは神経の炎症を一時的に抑え、痛みを和らげる効果がありますが、根本的な改善には至りません。

また、頸椎カラー(首の固定具)で動きを制限したり、温熱療法・牽引療法・電気治療といった理学療法が併用されることもあります。これらは一時的に筋肉の緊張を和らげ、血流を促す目的で行われます。

しかし、これらの治療はあくまで“結果としての痛みやしびれ”に対処する方法であり、「なぜ椎間板が飛び出したのか」「なぜその部位に負担が集中したのか」といった根本的な原因までは解決できません。

症状が重く、長期間改善が見られない場合には、手術(椎間板切除術や人工椎間板置換術など)が検討されることもあります。手術によって一時的に神経の圧迫が解放されても、再発や隣接椎間への新たな負担が生じるケースもあり、慎重な判断が求められます。

また、薬やリハビリで痛みが緩和しても、姿勢の歪みや神経の働きが乱れたままでは、時間の経過とともに再び症状が現れることも少なくありません。

そもそも頸椎椎間板ヘルニアは、「何かがおかしいですよ!今、体に負担がかかっていますよ!」と体が危険な状態を知らせてくれている“内側からのSOSサイン”です。

そのサインを薬や注射で一時的に消してしまうのではなく、「なぜ首に過剰な負担がかかってしまったのか」という根本的な原因を見極めることが何より重要です。

カイロプラクティックでは、体の内側に存在する“根本原因”が神経機能にあると考え、さまざまな検査法を用いて問題を特定し、頸椎椎間板ヘルニアに対してアプローチしていきます。
カイロプラクティックでのアプローチchiropractic approach
カイロプラクティックでのアプローチ
カイロプラクティックでは、このような構造的な結果だけに注目するのではなく、「なぜその部位に過剰な負担がかかったのか」という機能的な原因に焦点を当てます。

頸椎椎間板ヘルニアの多くは「補正作用(代償運動)」の結果として起こっています。
たとえば、頸椎6番のヘルニアは頸椎7番の補正作用によって起こる。あるいは、胸椎、腰椎、場合によっては最下位の骨盤の機能低下によって起こる場合もあります。

背骨一つとっても関節なので、どこかの椎骨の動きが悪くなれば、補正作用によって問題となっている頸椎が過剰に動いてしまう過可動性(ハイパーモビリティ)が発生する可能性があります。

この過可動性の連鎖が続くと、神経の伝達にも歪みが生じ、筋肉の緊張と弛緩のリズムが崩れていきます。カイロプラクティックでは、この“補正の連鎖”を解き、身体全体の動きと神経機能の協調性を取り戻していきます。

神経の働きが整うことで、筋肉の緊張と弛緩のリズムが正常化し、頸椎周囲の血流が回復します。それにより炎症が鎮まり、組織の代謝が高まり、自然治癒力が最大限に発揮される環境が整っていきます。

頸椎椎間板ヘルニアは「首の骨が悪い」「椎間板が損傷した」といった局所的な問題だけではなく、全身のバランスと神経機能の乱れによる補正の結果として現れる機能的な障害です。

カイロプラクティックケアでは、髄核が突出している頸椎そのものを無理に動かすのではなく、脊柱全体をさまざまな検査システムで評価することで、神経システムを整えていきます。それによって椎間板への負担を減らし、再発しにくい安定した身体をつくり出します。

痛みを一時的に和らげるのではなく、「なぜその部位にヘルニアが起こったのか」という根本原因に働きかけることで、首から肩、腕にかけてのしびれや違和感も次第に解消していきます。

頸椎椎間板ヘルニアは、“身体が限界を迎える前に出す警告”でもあります。正しいカイロプラクティックケアを通して神経の働きを整え、首や腕の本来の動きを取り戻し、快適な毎日を過ごしましょう!

頸椎椎間板ヘルニアの患者様の声voice

手術を覚悟したヘルニアによる首の激痛と腕のしびれが改善し、再び仕事に集中できるようになりました!

最初は首や肩のこり程度でしたが、次第に右腕にビリビリとしたしびれが出るようになり、日常生活にも支障をきたすほどになりました。整形外科で「頸椎椎間板ヘルニア」と診断され、手術を勧められたときは正直ショックでした。痛み止めを飲んでも夜眠れず、仕事にも集中できず、このまま治らないのではないかという不安でいっぱいでした。

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