舌痛症

舌痛症の本当の原因は「舌」ではなく“神経バランス”にある

舌痛症の本当の原因は「舌」ではなく“神経バランス”にある

舌痛症とは、舌や口の中に明らかな傷や炎症がないにもかかわらず、「ヒリヒリ」「ピリピリ」「焼けるような痛み」などを感じる状態を指します。見た目には異常がないのに強い不快感が続くため、患者本人にとっては非常に辛い症状です。

厚生労働省の調査や臨床報告によると、舌痛症は特に40〜60代の女性に多くみられ、更年期やストレス、自律神経の乱れが深く関係していると考えられています。ホルモンバランスの変化や精神的な緊張、睡眠不足などが重なることで、舌や口腔粘膜に分布する神経が過敏になり、実際には炎症がないのに“痛み”を感じてしまうのです。

また、歯科や内科を受診しても「異常なし」「気のせい」と言われてしまうケースも少なくありません。実際には、神経や脳が過剰に反応していることが原因であることが多く、ストレス性の頭痛や不眠、自律神経失調症と共通するメカニズムが関与しています。

「舌がしびれる」「熱いものがしみる」「何も食べていないのに舌が焼けるように痛い」──そんな症状に心当たりがある方は、舌そのものではなく“神経の働き”が乱れているサインかもしれません。

このコラムでは、舌痛症に対する正しい知識と、一般的な治療法とカイロプラクティックでの対策法の違いをお伝えしていきます。

こんな経験したこと
ありませんか?

  • 鏡で見ても舌に異常がないのに、ヒリヒリと焼けるように痛む
  • 歯科や内科で「異常はありません」と言われたが、痛みが続いている
  • 話したり食べたりすると舌先がピリピリして気になる
  • ストレスが続くと痛みが強くなる気がする
  • 口の中が乾きやすく、味覚が鈍くなったように感じる

一般的な舌痛症に対しての治療法common medical care
一般的な腰痛に対しての治療法
舌痛症は、見た目には異常がないにもかかわらず「ヒリヒリ」「ピリピリ」とした痛みや違和感が続く症状で、原因の特定が難しいことが特徴です。歯科や耳鼻科、内科を受診しても「異常なし」と言われるケースが多く、長期間悩んでしまう方も少なくありません。

一般的な治療法としては、栄養不足や口腔乾燥が関係している場合に、鉄剤やビタミンB群の補給、保湿ジェルやうがい薬の使用などが行われます。また、痛みの感受性を下げる目的で、神経に作用する薬(抗けいれん薬や抗うつ薬など)が処方されることもあります。

精神的ストレスやホルモンバランスの影響が疑われる場合には、抗不安薬や睡眠薬、漢方薬などが使われることもあります。さらに、歯の噛み合わせや入れ歯の刺激など、物理的な要因が考えられる場合には、歯科的な調整が行われる場合もあります。

これらの治療は一時的に症状をやわらげることがありますが、多くの場合、薬の効果が切れると再び痛みがぶり返してしまいます。つまり、「舌の表面を治す」ことだけでは十分ではなく、なぜ舌が過敏に反応してしまうのかという根本的な部分にはアプローチできていないのです。

近年では、舌痛症の多くに「神経過敏」や「自律神経の乱れ」が関係していることが明らかになってきています。ストレス、睡眠不足、更年期などによって交感神経が過剰に働くと、舌の血流が低下し、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなります。その結果、神経が過敏化し、実際には傷や炎症がなくても痛みを感じやすくなるのです。

舌痛症を改善するには、表面的な治療だけでなく、神経・ホルモン・血流のバランスといった体の内側に意識を向けることが大切です。痛みは「体からのサイン」であり、体が「今、バランスを崩しています」と教えてくれている状態なのです。

カイロプラクティックでは、このような体の内側に存在する根本原因に着目し、神経の働きや自律神経の調整を通して、舌痛症に対してアプローチしていきます。
カイロプラクティックでのアプローチchiropractic approach
カイロプラクティックでのアプローチ
舌痛症は、舌そのものの炎症ではなく、「神経の働き」が乱れることで起こるケースが多く見られます。舌の感覚や動きは、味覚を司る神経・感覚を伝える神経・運動を支配する神経など、複数の神経によって制御されています。これらはすべて脳幹を経由し、首の上部で互いに連携して働いています。

この部分には、舌の運動を司る神経や、自律神経の中枢が集まっており、首の筋肉や関節の緊張が強くなると、神経の伝達が妨げられることがあります。その結果、脳が舌の情報を正しく受け取れず、実際には異常がないにもかかわらず「ヒリヒリ」「ピリピリ」といった痛みや灼熱感を感じてしまうことがあります。

また、ストレスや姿勢の崩れ、睡眠不足などによって交感神経が過剰に働くと、舌や口腔粘膜の血流が低下します。血流が滞ることで酸素や栄養の供給が不足し、神経が過敏な状態になりやすくなります。反対に、副交感神経が過剰に働く場合は唾液分泌が減少し、口腔の乾燥によって舌が刺激を受けやすくなります。このように、自律神経のバランスが乱れると、舌が「痛みを感じやすい体」になってしまうのです。

カイロプラクティックでは、舌だけに注目するのではなく、脳と身体をつなぐ神経の伝達経路を整えることで、体全体のバランスを回復させていきます。特に首の緊張や可動性を丁寧に整えることで、神経の働きが正常化し、舌や口腔内の感覚過敏が自然と落ち着いていきます。

重要なのは、舌痛症を「舌の異常」として捉えるのではなく、「神経の伝達機能の乱れ」として理解することです。神経が正しく働けば、脳は体の状態を的確に把握し、適切な回復反応を起こしてくれます。

舌痛症は、神経・血流・心身の緊張が複雑に絡み合って起こる“全身性の問題”でもあります。つまり、舌の痛みは「体全体がバランスを崩しています」という内側からのサインなのです。

カイロプラクティックケアで神経の働きを整え、舌の痛みや違和感を根本から改善し、穏やかな日常を取り戻しましょう!
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