腰椎すべり症の本当の原因は、「骨のずれ」ではなく“仙腸関節の機能低下”にあった!
腰椎すべり症とは、腰椎(腰の骨)が本来の位置から前方または後方にずれてしまい、神経や筋肉に負担を与える状態をいいます。加齢や姿勢のクセ、筋力低下などによって椎間関節や椎間板が弱くなり、骨同士の安定性が失われることで起こります。特に40〜60代の女性に多く見られ、慢性的な腰痛や下肢のしびれ、歩行時の違和感などを訴える方が多くいます。
初期のうちは軽い腰の重だるさや違和感程度ですが、進行すると「立っていると腰が痛い」「長く歩くと足がしびれて休まないと歩けない」といった症状が現れます。これを「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼び、すべりによって神経や血流が圧迫されることが原因です。
整形外科では、腰椎すべり症を主に“骨のずれ”や“変形”として扱いますが、実際には骨だけでなく、姿勢を支える筋肉・靭帯・神経のバランスの乱れが深く関係しています。姿勢を保持する神経が正しく働かないと、体幹の安定性が失われ、腰椎の一部に過剰な負担が集中しやすくなるのです。
また、慢性的なストレスや疲労、運動不足によっても神経の働きが鈍り、筋肉の緊張や血流障害が起こりやすくなります。その結果、骨格の安定を支える“内側の働き”が低下し、症状が悪化してしまうことがあります。
腰椎すべり症を根本から改善するためには、「骨の位置」を戻すことではなく、「なぜずれたのか」という体の機能面に着目することが大切です。
このコラムでは、腰椎すべり症の正しい知識と、一般的な治療法、そしてカイロプラクティックによる根本的なアプローチの違いについて解説していきます。






