胸郭出口症候群

胸郭出口症候群の原因は鎖骨や第一肋骨に関わる神経機能の乱れ!?

胸郭出口症候群の原因は鎖骨や第一肋骨に関わる神経機能の乱れ!?

「手がしびれる」「腕がだるい」「肩こりがひどくて上まで腕が上がらない」と感じる人は少なくありません。胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)は、首から出た神経や血管が鎖骨や肋骨、筋肉のすき間で圧迫されることによって起こる症状です。

特に長時間のデスクワークやスマートフォン操作などで腕を前方に出す姿勢を続けている人に多く見られます。日本整形外科学会の報告によると、この疾患は二十代から四十代の女性に多く、特になで肩体型の人や、日常的に姿勢が前傾しがちな人に発症しやすい傾向があります。近年ではリモートワークや長時間のスマホ使用によって、若い世代の発症も増えています。

初期では肩の重だるさや指先のしびれといった軽度の違和感だけで済むこともありますが、進行すると腕を上げるとしびれる、夜にうずく、手に力が入りにくいなど、神経や血流の両面に影響が出ることがあります。

胸郭出口症候群は、その名の通り胸の出口にあたる複雑な構造の中で神経と血管が交錯しているため、圧迫される部位によって症状の出方が異なります。腕全体のしびれや冷感、肩や首の痛みなど、まるで別の病気のように感じることも少なくありません。

同じ生活をしていても発症する人としない人がいるのは、筋肉や姿勢だけでなく、神経の働きや身体のバランス機能が人によって異なるためです。胸郭出口症候群を根本的に改善するためには、筋肉だけでなく神経や関節の働きを総合的に見ていくことが重要です。

このコラムでは、胸郭出口症候群の正しい知識と一般的な治療法、そしてカイロプラクティックによる根本的なアプローチの違いについて解説していきます。

こんな経験したこと
ありませんか?

  • 長時間パソコンやスマートフォンを使っていると、手や腕がしびれてくる
  • ドライヤーや洗濯物を干すなど、腕を上げる動作で腕や肩がだるくなる
  • 朝起きたときに指先が冷たく、手のこわばりを感じる
  • 肩から腕にかけて重く、首を回すと痛みや違和感が広がる
  • 整形外科で「ストレートネック」や「姿勢の問題」と言われたが、しびれやだるさがなかなか改善しない

一般的な胸郭出口症候群に対しての治療法common medical care
一般的な腰痛に対しての治療法
胸郭出口症候群に対して、整形外科などの医療機関では主に「神経や血管の圧迫を和らげること」と「痛みやしびれの軽減」を目的とした保存療法が行われます。

初期の段階では、まず安静が指導され、腕を長時間上げたり、重い物を持つなどの負担動作を避けるよう求められます。炎症やしびれの強い場合には、消炎鎮痛薬(痛み止め)や筋弛緩薬、湿布などが処方され、症状を一時的に抑えることが中心となります。

症状が続く場合には、理学療法(リハビリ)が行われ、姿勢改善や肩甲骨周囲のストレッチ、筋力トレーニングが取り入れられます。近年では、姿勢矯正用の装具やストレッチポールを用いたリハビリなども広く行われています。

また、神経や血管の圧迫が強いと診断された場合には、ブロック注射やけん引療法、さらには手術で圧迫部位を開放する外科的治療が検討されることもあります。しかし、手術を行っても痛みやしびれが完全に消えないケースも多く、慎重な判断が求められます。

そもそも胸郭出口症候群は、「何かがおかしいですよ。今、体に負担がかかっていますよ。」と体が教えてくれている、内側からの大切なSOSのサインです。

その体からのサインを、薬やリハビリで一時的に抑えるだけではなく、なぜその部分で神経や血管に圧迫が起こっているのかを見極めることが重要です。

カイロプラクティックでは、体の内側に存在する根本原因を神経機能の乱れと考え、全身のバランスと関節の動きを検査によって分析し、胸郭出口症候群に対して根本的なアプローチを行っていきます。
カイロプラクティックでのアプローチchiropractic approach
カイロプラクティックでのアプローチ
胸郭出口症候群は、鎖骨や肋骨の間で神経や血管が圧迫されているように見えても、その根本的な要因として、鎖骨や第一肋骨と連動して働く上部胸椎の機能低下が関係している場合が多くあります。

カイロプラクティックの観点では、椎間板に負担がかかると背中側から閉じていく傾向があり、これは前縦靭帯よりも後縦靭帯のほうが構造的に弱くできているためです。その結果、負担を受けた椎骨は後方下方へと変位し、上部胸椎の可動性が低下します。こうした機能低下によって、そこから連動する鎖骨や第一肋骨の動きが制限され、胸郭出口を通過する神経に持続的なストレスがかかるようになります。これが、腕や手のしびれ・冷感・脱力感などの症状につながっていくのです。つまり、胸郭出口症候群の本質は「筋肉や姿勢の乱れ」ではなく、上部胸椎における神経機能の低下にあります。

カイロプラクティックでは、上部胸椎・頸椎・鎖骨・肋骨などの連動性を総合的に評価し、どの部分で神経伝達が阻害されているのかを丁寧に見極めます。首や鎖骨周囲だけを個別に見るのではなく、呼吸運動や肩甲帯のリズム、体幹の動き、歩行時のバランスまでを一連のつながりとして捉え、最小限の刺激でアジャストメントを行います。神経の働きが回復することで、関節運動が整い、血流や循環も自然に改善していきます。

さらに、背骨は骨盤という“土台”の上に積み上がっています。土台理論に基づいて、まず骨盤(仙腸関節)の機能を安定させることが重要です。骨盤の機能低下があると荷重線が乱れ、胸郭の拡張・収縮リズムや上部胸椎の運動パターンにも微妙な機能的アンバランスが生じます。そのアンバランスが積み重なることで上部胸椎の動きが制限され、連動する鎖骨や第一肋骨の可動性にも影響が及び、胸郭出口の神経にストレスがかかりやすくなります。

土台である骨盤の安定性は、呼吸運動と肩甲帯のリズム、上部胸椎の可動性を安定させる一助になります。そこから神経機能が整ってくることで、しびれや冷感、脱力感といった症状が安定して軽減していきます。

胸郭出口症候群は、構造の乱れではなく神経機能と全身の協調性の乱れによって起こる問題です。カイロプラクティックケアによって神経の働きを整え、再発しにくいしなやかな身体を取り戻しましょう!

胸郭出口症候群の患者様の声voice

胸郭出口症候群による腕のしびれが和らぎ、朝も仕事中も気にならなくなりました!

朝起きると右腕がビリビリとしびれるようになり、デスクワーク中も腕が重くつらい状態が続いていました。最初は肩こりだと思っていましたが、日が経つごとにしびれが強くなり、「このまま悪くなったらどうしよう」「仕事に支障が出るかもしれない」と不安でいっぱいでした。

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