副鼻腔炎

副鼻腔炎が慢性化する原因とは?本当の理由は自律神経が関係している!?

副鼻腔炎が慢性化する原因とは?本当の理由は自律神経が関係している!?

副鼻腔炎は、鼻づまりや頭が重い感覚、頬から目の奥にかけて広がる鈍い圧迫感など、日常生活の質を大きく左右する症状です。ひどいときには睡眠が浅くなり、朝から倦怠感が抜けない、声が鼻にかかる、仕事に集中できないといった影響まで出てきます。

厚生労働省の報告では、鼻副鼻腔の炎症性疾患は日本で非常に多く、年間の医療受診者数は数百万人規模にのぼるとされています。また、日本耳鼻咽喉科学会の調査では、慢性的な副鼻腔炎は成人の約10%前後にみられるとされ、季節の変わり目やストレスが重なる時期に症状が悪化しやすいことが分かっています。

しかし、同じ環境にいても副鼻腔炎を繰り返す人と、ほとんど経験しない人がいます。この違いは、単に鼻の構造や体質だけでは説明できません。鼻の粘膜や副鼻腔の換気・排泄機能は自律神経の支配を強く受けており、ストレス、睡眠の質、疲労の蓄積などで神経機能が乱れると、粘膜の腫れ、分泌物の停滞、免疫反応の過剰などが起こりやすくなります。

薬を飲めば一時的に炎症が落ち着くこともありますが、数週間で再発してしまう、季節の変わり目になると決まって悪化するといったケースが多いのも事実です。これは、炎症そのものを抑えても、体の内側で働く神経機能の乱れがそのまま残っているためです。

副鼻腔炎は「粘膜が腫れている」という表面的な問題に見えて、その背景には自律神経・血流・免疫の複雑な連動が関係しています。体のどこで負担が蓄積し、なぜ炎症が繰り返されるのかを理解するには、外側の変化だけでなく内側の機能にも目を向ける必要があります。

このコラムでは、副鼻腔炎に対する正しい知識と、一般的な治療法とカイロプラクティックでの捉え方の違いについてわかりやすく解説していきます。

こんな経験したこと
ありませんか?

  • 朝起きても鼻が通らず、一日中ぼんやりした重さが続いてしまう
  • 顔の奥がずっと詰まったような圧迫感があり、仕事や家事に集中できない
  • 風邪が治ったはずなのに鼻声だけが残り、いつまでもスッキリしない
  • 天気が悪くなる前に額や頬が痛み、毎回同じ場所がズーンと重くなる
  • においが感じにくくなり、食事の味まで変わったように感じる

一般的な副鼻腔炎に対しての治療法common medical care
一般的な腰痛に対しての治療法
副鼻腔炎の治療では、まず鼻腔に生じている炎症を抑え、粘膜の腫れを引かせることが優先されます。耳鼻科では、抗菌薬や抗炎症薬、去痰薬、ステロイド点鼻薬などが処方され、これらは鼻腔の通気性を確保し、粘膜の状態を一時的に改善させるために用いられます。鼻洗浄やネブライザー治療が併用されることもあり、粘膜に付着した分泌物を取り除いて空気や匂いの通りをよくするための標準的な手段です。

急性副鼻腔炎の場合は、細菌感染が疑われる際に抗菌薬が選択されることがありますが、すべての副鼻腔炎が細菌を原因としているわけではないため、薬が必ずしも効果を発揮するとは限りません。特にウイルス性やアレルギー性の副鼻腔炎では、抗菌薬を使用しても根本的な改善に結び付かないケースが多く、炎症が治まりきらず慢性化してしまうことがあります。

一方で、慢性副鼻腔炎では粘膜の腫れが長期間続き、鼻づまりや頭重感、後鼻漏が慢性的に続きます。この段階になると、薬物療法だけでは十分な改善に至らず、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す人が非常に多く見られます。特に鼻茸(ポリープ)が形成されると気道が狭くなり、空気の通り道が妨げられるため、ステロイド治療や手術が検討される場合があります。

これらの治療は、そのときの不快感を軽減する助けにはなりますが、副鼻腔炎が慢性化してしまう背景そのものが変わるわけではありません。そのため、薬で症状が引いたと思っても、季節の変わり目や疲労、ストレスが重なるたびに再発する方も少なくありません。

同じ生活環境にいても、副鼻腔炎を繰り返す人とほとんど発症しない人がいることを考えると、外的な対処だけでは説明しきれない“個体差”があることが分かります。この差は、鼻粘膜の回復力や炎症の収まり方に影響する体の内側の働き、特に自律神経の状態が大きく関わっていると考えられています。

副鼻腔炎は「体のどこかで炎症が適切にコントロールできず滞っている」という内側からのサインでもあります。外側のケアだけで症状を抑え続けようとすると、根本にある問題が解決されないまま、再発を繰り返してしまうのです。

カイロプラクティックでは、この内側の働きを整えることで、症状の背景にある問題へ丁寧にアプローチしていきます。
カイロプラクティックでのアプローチchiropractic approach
カイロプラクティックでのアプローチ
副鼻腔炎は、鼻腔や副鼻腔に炎症が生じている状態ですが、その背景には粘膜そのものだけでは説明しきれない「神経機能の乱れ」が存在しています。鼻の内部では、吸い込んだ空気を加湿し、異物を排除し、適切な粘液を分泌するといった複雑な働きが同時進行で行われています。これらはすべて自律神経によって調整されており、粘膜が腫れやすい人、炎症が長引きやすい人に共通しているのは、この自律神経の調整がうまく働かなくなっている点にあります。

自律神経が乱れると、粘膜への血流が低下し、粘液の粘度が変化し、排泄機能が滞りやすくなります。さらに炎症反応が続くと、脳は危険信号として鼻や顔の周囲を過敏に感じ取るようになり、頭重感や顔面痛が増すこともあります。副鼻腔炎がなかなか治らない人ほど、この「神経調整の機能低下」が起きている可能性が高いと考えられます。

重要なのは、こうした神経機能の乱れは、画像検査では捉えられないという点です。レントゲンで副鼻腔が白く写るかどうかだけでは、人によってなぜ炎症が長引くのか、なぜ再発を繰り返すのかといった個体差を説明することはできません。同じ生活環境にいても副鼻腔炎になる人とならない人がいる理由は、この神経の働きの差にあります。

カイロプラクティックでは、脳と体の間で行われる情報伝達がどの段階で鈍くなっているのかを丁寧に評価します。特定の部位を原因と決めつけるのではなく、体表温度の変化、皮膚の張り、筋緊張の左右差、呼吸の癖、姿勢の偏りなど、多角的な検査を通して神経負担の手がかりを読み取っていきます。

神経の働きが整ってくると、脳は副鼻腔や粘膜の状態を正確に把握できるようになり、血流調整や粘液分泌の指令がスムーズに働き、排泄機能も自然と改善していきます。粘膜の腫れが引き、頭の重さや息苦しさが和らいでいく過程は、外側から無理に症状を抑えた結果ではなく、体の内側で回復力が適切に働き始めた証拠です。

副鼻腔炎が慢性化しやすい人は、粘膜だけに注目するのではなく、粘膜を調整している神経の働きに目を向けることが大切です。神経機能が整ってくると、炎症が落ち着きやすい状態へと変わり、再発のサイクルから抜け出すための大きな一歩となります。呼吸がしやすい、頭が軽い、匂いが戻ってきたといった変化も、体が内側から本来の働きを取り戻した結果として自然に現れてきます。

体の内側で神経が正しく働き始めることで、鼻まわりの負担は少しずつ軽くなり、呼吸のしやすさや頭のスッキリ感が戻ってきます。副鼻腔炎に悩まされない日々を取り戻し、気持ちよく深呼吸できる毎日を目指しましょう!
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