腰椎椎間板変性症の本当の原因は、「加齢」ではなく“仙腸関節の機能低下”にあった!
近年、MRI検査などで「椎間板がすり減っていますね」「黒く変性しています」と言われる人が増えています。
日本整形外科学会の報告によると、40代以上の約6割に腰椎椎間板の変性(劣化)所見がみられ、加齢に伴ってその割合はさらに増加することが分かっています。特に50代を超えると男女差が小さくなり、女性では閉経によるホルモンバランスの変化、男性では長年のデスクワークや運転などの影響が大きいと考えられています。
椎間板は、骨と骨の間にあるクッションのような組織で、水分を多く含み、衝撃を吸収する役割を持っています。ところが、長時間の座位姿勢や運動不足、加齢、過度なストレスなどによって血流が滞ると、椎間板内部の水分が徐々に失われ、弾力を失っていきます。これが「椎間板変性症」と呼ばれる状態です。
初期には「朝起きたときに腰がこわばる」「長く座っていると腰が重い」といった軽い症状から始まり、進行すると「立ち上がるときに痛い」「腰を反らすとズキッとする」などの慢性的な痛みに発展することがあります。中には、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎分離症・腰椎すべり症など、より重度の腰椎疾患へと移行するケースも少なくありません。
整形外科では「加齢による自然な変化」と説明されることもありますが、実際には20代・30代でも椎間板変性が見られる例があり、必ずしも年齢だけが原因ではありません。日常的な姿勢のクセや、仕事・生活の中で腰にかかる繰り返しの負担が、変性を早めてしまう大きな要因となっています。
「老化だから仕方ない」と片づけるのではなく、なぜ自分の椎間板だけが早く傷んでしまったのかという視点を持つことが、根本的な回復への第一歩です。
このコラムでは、腰椎椎間板変性症の正しい知識と一般的な治療法、そしてカイロプラクティックによる根本的なアプローチの違いについて解説していきます。






